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東京芝1600m、最近の傾向

  • 2004年05月31日(月) 16時43分
 東京の芝コースは時計の速い状態が続いている。連続開催だけに開催前半の速さがそのまま持続されるのかどうかは半信半疑だったが、速いままで終盤まで来てしまった。

 今週はC→Aコースだが、かなりの頭数が馬場のいいところを通れるので、枠順の有利不利よりも、やはり「速い馬場がもたらす結果」について考えたほうがいいだろう。

 2回東京開催のはじめから先週まで、行われた芝1600m戦は15レース。サンプル数としては少ないが、それでもある程度の傾向は見えてくる。

 ひとつは、サンデーサイレンス産駒の安定ぶりである。[7-2-2-5]で連対率56.3%。単複とも回収率は100%を超えている。3番人気以内に支持されたSS産駒(12頭)のうち、馬券に絡まなかったのは未勝利戦のブローザキャンドルだけなのだから、「人気のSSには逆らうな」という状況である。

 もうひとつは、差し・追込タイプの活躍だ。15レースという少ないサンプルだが、脚質別に着度数と連対率を記すとこうなる。

逃げ [1-2-0-12] 20.0%
先行 [3-5-4-48] 13.3%
差し [7-3-8-59] 13.0%
追込 [4-5-3-49] 14.8%

 一応逃げの連対率が最も高くなっているが、これは脚質別データのほぼすべてのケースで出てくる結果である。実際には20.0%という数字は他コースに比べてかなり低く、単26%・複46%という回収率は相当な例外的現象と呼んでいいほど低い。

 一方、追込の連対率がこれだけ高いのも珍しい。回収率は単34%・複39%と低いのだが、これは「ついていけない馬」もここにカテゴライズされてしまうからである。今回馬券に絡んでいるのはすべて6番人気以内の馬であり、6番人気以内に限定すれば単91%・複105%と高くなっている。

 この2つを考えると、有力どころの取捨や、どこに思いシルシを打ち、どこを下げるべきかも見えてくるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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