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手塚厩舎“三本柱”が今秋始動

  • 2015年09月10日(木) 18時00分


◆「夏を越して馬も確実に成長してきた」

 6日の札幌・すずらん賞(2歳オープン、芝1200メートル)をオデュッセウスが1番人気で快勝。「外からかぶされずに競馬ができれば」(手塚調教師)という注文通りの手綱さばきを鞍上・三浦皇成が見せて、同厩舎に2歳オープン馬の第1号が誕生した。おそらく昨年までなら厩舎のムードも一気にアップしたはずだが…。今年の空気は微妙に違う。実は夏の2歳戦はあくまで小手調べ。厩舎の命運を握る大勝負が今秋に控えているのだ。

「いよいよ3本柱が揃い踏みですね」

 これは北海道から2か月ぶりに戻った美浦で、当方が手塚貴久調教師にあいさつ代わりに放った言葉。“3本柱”とは、今年の2歳軍団でエース格となるディープインパクト産駒3頭だ。

「食いが細いのが現状の課題だけど、背中の良さはさすがと思わせる」と担当の森厩務員が語るスカイムーヴァー、「背腰が弱くて一度放牧に出されたが、だいぶしっかりして戻ってきました」と田中助手が目を細めるアフェクテューズ、そして募集価格1億円と文句なしにサンデーレーシングの関東ナンバーワンホース候補のハートレー。それぞれデビュー時期は未確定だが、雰囲気のある若駒が並ぶと、えも言われぬ豪華さが満ちている。

「見ていて一番スケールを感じるのはハートレーだけど、競馬じゃ乗れませんからね。オレは決まっているアフェクテューズで頑張るだけ。雨を含むウッドでもしっかり走れているように夏を越して馬も確実に成長してきた。ディープ産駒でもいい意味でずぶとさがある。スカイムーヴァーも稽古で乗ったけど、いかにも軽い馬場で切れそうな感じですねぇ」

 これは日頃から攻め馬を手伝う松岡正海のジャッジ。西高東低のパワーバランスに変化が見えた今、来季クラシックも関東馬がやってくれそうな期待感が高まる。

 さて、今週開幕の中山デビューで注目は、昨年の東スポ杯3着馬ソールインパクトの半弟ノンシュガー。

「ダイワメジャー産駒でもおっとりした気性。その分、兄ほど迫力はないけど、大型馬の割に器用で競馬も上手そう。ターゲリート(サンカルロの全弟)の故障で気落ちするオレを元気づける走りを見せてくれないかな」と自虐気味に語る戸田博文調教師だが、その馬っぷりはひときわ目立つ。グランシルク(京成杯AH)の露払いとして十分な器だろう。
 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

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2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

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