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侮れない中山巧者

  • 2015年09月22日(火) 12時00分


『中山巧者・東京巧者』がことオールカマーにおいては馬鹿にならない要素に思える

 オールカマーの行われる中山芝2200mではどんなタイプの馬がよいのか。そんなことを考えつつ、以下のような検索をしてみた。

 過去10回のオールカマー(昨年は新潟なので04〜13年)で1〜3着した馬たちが、それ以前に出走していたコースごとに成績を集計すると以下のようになる。
※オールカマーで複数回3着以内している馬は、それぞれを起点にして遡るので同一レースが重複してカウントされる。その結果出走数がのべ20以上あるコースのみを対象とし、複勝率順にソート

コース[着度数]勝率 複勝率
中山・芝2200[10-6-5-8/29]34.5% 72.4%
京都・芝2000[8-3-4-6/21]38.1% 71.4%
中山・芝2000[8-9-6-13/36]22.2% 63.9%
中山・芝1800[16-10-0-15/41]39.0% 63.4%
新潟・芝2000外[3-4-5-8/20]15.0% 60.0%
中山・芝2500[9-1-3-10/23]39.1% 56.5%
中山・芝1600[9-5-1-12/27]33.3% 55.6%
東京・芝1800[10-4-3-14/31]32.3% 54.8%
東京・芝1600[7-1-7-15/30]23.3% 50.0%
札幌・芝2000[6-3-1-11/21]28.6% 47.6%
東京・芝2000[6-4-2-14/26]23.1% 46.2%
阪神・芝2000[7-4-2-16/29]24.1% 44.8%
京都・芝1800外[5-5-0-13/23]21.7% 43.5%
東京・芝2400[6-4-2-17/29]20.7% 41.4%

 中山は複勝率1〜7位の中に5コースが入り、反対に東京はすべて8位以下だ。

 これは走ったクラスを無視した集計(新馬以来すべてが対象)だし、のべ30頭のみが対象なのでサンプル不足ではある。ただ前者の問題については、すべてのコースに共通のことでもある。

 サンプルを増やすために「2004年以降の中山芝2200m・1000万条件以上で1〜3着」という馬を対象にして、それ以前の成績も集計してみた(要領はさきほどと同様)。

 100出走以上あった10種のコースを対象にすると結果は以下の通り。

コース[着度数]勝率 複勝率
中山・芝2000[69-50-34-119/272]25.4% 56.3%
東京・芝1800[52-30-19-101/202]25.7% 50.0%
中山・芝1800[49-31-8-88/176]27.8% 50.0%
中山・芝2200[26-23-17-72/138]18.8% 47.8%
中山・芝1600[23-16-13-59/111]20.7% 46.8%
中山・芝2500[32-16-17-75/140]22.9% 46.4%
東京・芝2000[46-25-18-112/201]22.9% 44.3%
東京・芝1600[19-18-17-71/125]15.2% 43.2%
東京・芝2400[22-28-15-95/160]13.8% 40.6%
阪神・芝2000[18-22-14-79/133]13.5% 40.6%

 全体に差が縮小しているし、東京は芝1800が上昇してきた。しかしそれでも3コースが「Bクラス」に沈んでいる。

 中山巧者東京巧者といった概念は初心者が最初に学ぶレベルの話ではあるが、こうして見るとオールカマーにおいてはけっこう馬鹿にならない要素のように思える。各馬について中山>東京なのか、中山<東京なのかということを気にしてみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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