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同じタイプの馬が来るエプソムC

  • 2004年06月07日(月) 18時10分
 この原稿では、「距離延長」「距離短縮」という概念をよく用いる。レースの距離そのものと出走馬の距離別成績をそのまま対照して馬券が当たるならばそんな面倒な作業は必要無いのだが、実際にはもうちょっと複雑な工程が必要だからである。

 距離の数字よりも余計にスタミナが必要なこともあるし、逆にスピードが必要なこともある。その結果、一定の距離帯から転戦してきた馬の活躍が目立つことともなり、「距離延長」「短縮」といった見方が必要になるわけである。

 さて、今週のエプソムCも「どういう距離帯で活躍してきた馬を買うべきか」ということが重要なテーマだが、普通のレースとはちょっと事情が異なる。年によって、「1800mより短いところが得意な馬」「1800mより長いところが得意な馬」のいずれか一方が躍進するレースなのだ。

 1800m以下が得意な馬を「+」、1800m以上を得意とする馬を「−」で表すと、別定戦になって以降の1・2着馬はこんな感じだ。

【開催年 1着馬 2着馬】
2003年 + +
2002年 − ?
2001年 − −
2000年 + +
1999年 + +
1998年 ? −
1997年 − −
1996年 + +

 ?としたのは年齢によって活躍距離が大きく変化した馬である。

 こうして見ると、マイラー色も強い馬のワンツーか、2000m以上が得意な馬のワンツーか、エプソムCはどちらかになる可能性が強いということだ。

 今年はどちらかということになるが、昨年と同様C→Aコースの2週目、そして雨絡みの馬場を考えると「+」側を中心に考えたい。ちなみに昨年は3着も4着も「2000mも得意な馬」だった。仮に土曜の馬場を見て方針を変えるなら、中途半端でなく180度変える方がいい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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