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前走GI組が出す穴

  • 2015年10月06日(火) 12時00分


毎日王冠、京都大賞典の両レースは“荒れるときは荒れる”

 今週は、だいぶ雑な話ではあるが、毎日王冠と京都大賞典をいっしょくたに考えてみようと思う。この両レースは同一週に行われるというだけでなく、全馬均等買い時の回収率(過去10年、以下同様)が毎日王冠は単複とも97%、京都大賞典は単193%・複108%と高い水準にあることも共通している。それだけ荒れるときは荒れる、というレースなのである。

 この2レースに出走する馬をグループ分けするとき、まず思いつくのは休み明け組とそうでない組だ。夏を休養にあてた一流馬と、夏競馬も走っていた馬の2グループである。

 当然夏休み組=格上組のほうが強いことは強いのだが、単純に「中13週以上」という条件で切ると、勝率9.9%・複勝率27.5%。全馬平均が勝率8.0%・複勝率24.0%だから、高いことは高いが極端な差ではない。

 やはり同じ夏休み組でも、前走GI組とそうでない組は分けて考える必要がある。中13週以上かつ前走GIというグループを作ると、勝率11.5%・複勝率31.0%で差はさらに広がる。逆に言うと、GI以外のレースから休み明けで来る馬はやや価値が落ちるということでもある。

 面白いことに、この「GI→毎日王冠or京都大賞典」というグループは、回収率も単195%・複103%で高い。お察しの通り13年京都大賞典ヒットザターゲットや12年毎日王冠ジャスタウェイが効いているのだが、他にも好配当を演出した馬はいる。単勝10倍以上で馬券に絡んだ馬が10頭、つまり年イチでどちらかのレースには登場するペースだから、狙えないことはない。

 前走GI組は、GIを勝ってきた馬こそさすがに[2-3-0-5]と強さを見せているが、前走GIで2〜3着だった馬は[0-2-0-6]と意外に強くない。ちなみに前走6着以下馬は[3-5-4-39]で複勝率こそ23.5%だが、穴馬はこのグループが多いので回収率は単377%・複155%だ。

 今年の該当馬は毎日王冠に4頭、京都大賞典に3頭。軸にするのは勇気がいるケースもあるが、ヒモには迷わず入れてよいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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