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サニングデールは磐石か?

  • 2004年06月28日(月) 18時48分
 今週の函館スプリントS、タイトルホース・サニングデールの参戦が話題になっている。

 競馬週刊誌のシルシなどを見るとかなり人気になりそうだが、個人的には不安も感じている。

 下馬評では「強い+このレースを過去に勝っている=絶対」ということのようだが、不安のひとつは、サニングデールが勝った2年前と今年では馬場の状態がだいぶ違うことだ。

 2年前の函館といえば、「なんちゅう馬場を作るんじゃ!」とファンを驚かせたほど時計のかかる馬場。勝ちタイム(クラス内最速)を開幕週の良馬場どうしで今年と比較するとこうなる。

【条件 2002年 2003年 2004年】
2歳新馬
1.13.2 1.10.9 1.11.3
3歳未勝利
1.11.9 1.10.4 1.11.2
3歳上500万下
1.11.9 1.09.8 1.10.3
3歳上1000万下
1.11.2 1.09.5 1.09.9

 最速タイムで取っているから差は1秒前後だが、開催全体を通じた差としては1.5秒ほど違う印象だった。

 函館スプリントSの勝ちタイムはサニングデールの勝った2002年が1.10.3、一方2003年は1.09.3だった。今年も1分9秒台の前半だろう。

 サニングデールもこのレベルの時計はもちろん出せるのだが、しかし「時計のかかる短距離」が得意であるのも事実である。秋風S(2着)では1.07.1を出しているが、勝ったレースで1分7秒台をマークしたのは高松宮記念がはじめてだった。

 一昨年が「得意すぎる馬場」だったということに加え、もうひとつの不安は脚質が2年前に比べ完全に後ろ寄りになっていることだ。

 今年の函館はそこそこ差せる馬場になっているが、それでも函館は函館だ。しかも、サニングデールの今年2勝がアタマ差・クビ差であることからも分かるように、脚質から「1着は保証できない馬」になってきている。ちょっとした拍子に「届かずの2着・3着・4着」になってもおかしくはない。

 もちろん届いてしまう可能性もあるのだが、人の逆を行くのが馬券の筋道でもある。個人的にはサニングデールは馬単の2着までにとどめたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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