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休み明けのモーリスをどう評価する

  • 2015年11月17日(火) 12時00分


平成以降の平地GIに中20週以上の間隔で出走した馬はのべ213頭いるが…

 週半ばの段階でnetkeibaの重賞予想オッズを見ることがよくあるが、今週のマイルCSについて見てみたら、イスラボニータが1番人気でモーリスは2番人気だった。

 当該予想オッズはファンの予想をもとに作られるので、4連勝中のモーリスがそこまでの評価でしかないことは意外だったが、冷静に考えてみると、その評価のほうが妥当かもしれない。それだけ、休み明けでGIに臨むのは大変なことでもある。

 今回のモーリスは6月7日以来の出走で、11月22日のマイルCSは中23週での出走ということになる。平成以降の平地GIに中20週以上の間隔で出走した馬(カク地とカク外は除く)はのべ213頭いるが、その着度数は[6-11-8-188]。勝率は2.8%、単勝回収率は19%しかない。

 これらの馬の中には脚部不安などでもっと長い休養を余儀なくされていた馬もいるし、もともと勝つことなど望めないレベルの馬ももちろん入っている。そこで、さらに条件を加えていってみると、それぞれ以下のようになる。

・中20〜30週だった馬
[4-9-7-141]

・うち、前走オープン1〜3着馬
[3-5-3-42]

・うち、休み明けで出走したGIで単勝5倍未満
[3-4-2-5]

 最後のところまでくると複勝率64.3%だから、今回のモーリスにしても馬券の対象からわざわざ外す必要はないものと思われる。ただ勝率は21.4%で単回収率は54%。単までは信じない、という皆さんの評価は正しいのかもしれない。

 ちなみに最後の条件まで残ったうえで勝った3頭は秋華賞のテイエムオーシャン、同じく秋華賞のカワカミプリンセス、南部杯(東京で施行された2011年)のトランセンド。マイルCSでモーリスが勝つと、古馬の芝GIでは平成以降で唯一の例となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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