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父ヴィクトワールピサの配合上の急所を継続したラグランジュ

  • 2015年11月18日(水) 12時00分
アカカホール(牝 栗東・羽月友彦 父ダイワメジャー、母フォーティカラーズ)
 半兄キャンバス(父ディープスカイ)は中央再転入後、500万下からダート3連勝で現在1600万下に在籍中。3代母Winning Colorsは牝馬ながらケンタッキーダービー(米G1)を制し、母フォーティカラーズは「フォーティナイナー×Danzig」というパワフルな血統なので、ダート向きの適性を伝えている。母方にCaroを持つダイワメジャー産駒はエピセアローム(12年セントウルS-GII、11年小倉2歳S-GIII)、ブレイズアトレイル(14年京成杯オータムH-GIII・2着)などが出ており同産駒の平均値を超える好成績を残している。芝とダートの適性は3:7ぐらいだと思われるが、柔らかく出やすい牝馬なので、芝短距離なら十分こなせるはず。

ヴェルデリモーネ(牝 栗東・奥村豊 父ワークフォース、母マハーバーラタ)
 早いものでディープインパクトを母の父に持つ馬がデビューし始めている。本馬の母マハーバーラタはディープインパクトの初年度産駒で、ダ1700mで勝ち星を挙げた。その兄弟のマハーバリプラム(OP馬)、デイトユアドリーム(準OP)、クレヨンルージュ(1000万下)はいずれもダート馬なので、母方からは強めのダート適性を受け継いでいる。本馬の父ワークフォースは現役時代に英ダービー(英G1)、凱旋門賞(仏G1)などを制した典型的な欧州芝2400m血統。現2歳世代が初年度産駒で、これまでに勝ち上がった7頭のうち4頭がNureyevクロスを持っている。ワークフォース自身、Nureyev≒Sadler's Wells 4×2という強めのインブリードを持っているので、これを継続した配合がうまく行っている、という傾向が現時点では見ることができる。本馬は2代母マハーブの父がNureyevなので、Nureyev 5×3。セオリーどおりの配合パターンとなっている。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

キマリ(牝 美浦・畠山吉宏 父マンハッタンカフェ、母ファンシービビッド)
 3代母ダイナアクトレスは、現役時代に毎日王冠(GII)など5つの重賞を獲得し、2年連続でJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出された名牝。G1こそ獲れなかったものの、まぎれもなく80年代を代表する強豪牝馬の1頭だった。種牡馬として頭角を現したスクリーンヒーローの2代母として再び脚光を浴びている。母ファンシービビッドは未勝利馬だが、Northern Dancer 3×4という強いクロスを持っている。父マンハッタンカフェはこうした配合パターンの牝馬と相性良好。「マンハッタンカフェ×ファルブラヴ」はこれまで出走例はないが、ファルブラヴと配合構成がよく似たエリシオを母の父に持つマンハッタンカフェ産駒は、少ないサンプルからヒルノマドリード(OP)を出しているので期待できそうだ。芝向きの中距離タイプ。

ノヴァステッラ(牝 美浦・田中剛 父ゴールドアリュール、母シアトルブリッジ)
 母シアトルブリッジは現役時代に平安S(GIII)2着という成績がある。その父スキャンはMr.Prospector系のパワー型スピードタイプで、母方に重厚なスタミナ血統を持つものが成功した。シアトルブリッジの2代母タニノオーバンは「オーバン×ティエポロ」というスタミナ血統なのでセオリーどおりの配合だった。好配合ゆえか繁殖牝馬として成功しており、これまでにデビューした6頭の内5頭はJRA所属時代に勝ち上がり、そのなかには準OP馬ハジメレンジャー(父ブラックタキシード)がいる。これまで芝向きの種牡馬ばかり交配されてきたが、本馬の父ゴールドアリュールはキングカメハメハと並んでダート界の頂点に立つ名種牡馬。ダート向きの大物となることが期待できる。

ラグランジュ(牝 栗東・西園正都 父ヴィクトワールピサ、母サッカーマム)
 レディルージュ(父ブライアンズタイム/京阪杯-GIII・2着、北九州記念-GIII・2着)、リラコサージュ(父ブライアンズタイム/秋華賞-GI・3着)の半妹で、ロードフォワード(父ネオユニヴァース/準OP)の4分の3妹。父ヴィクトワールピサはドバイワールドC(首G1)、有馬記念(GI)、皐月賞(GI)を制した名馬で、現2歳世代が初年度産駒。その母の父Machiavellianは「Mr.Prospector×Halo」という素軽い構成で、ネオユニヴァースと組み合わせるとMr.Prospectorを入れつつHaloクロスを作ることになり、スピード面の強化に大きなプラス効果が見込める。ヴィクトワールピサと並ぶネオユニヴァースの代表産駒ロジユニヴァース(09年日本ダービー-GI)もMachiavellianを母方に持つネオユニヴァース産駒だった。ネオユニヴァースはやや鈍重さが感じられるだけにこうした血がフィットするのだろう。本馬の母サッカーマムは「Mr.Prospector 系×Halo」なので、Machiavellian の構成要素をそのまま継続することになる。Machiavellianがヴィクトワールピサの配合上の急所だと思われるので、ここを刺激する配合は悪くないだろう。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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