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天皇賞後の妙に気になる池江師のひと言/トレセン発秘話

  • 2015年11月26日(木) 18時00分


◆ビッグタイトルを持たないゆえの本気度

 すべての厩舎というわけではないが、何かタイトルを取った際、調教師が記念グッズを作るという文化が美浦には存在する。

 基本的にはジャンパーや帽子といった類い。われわれ記者もそのおこぼれにあずかることが多く、国枝、手塚、高木、尾関厩舎などを担当する当方は、ありがたいことに毎年新品のジャンパーを着ていられる。つい最近もダービーフィズの吉田芳行厩務員からサマーシリーズ制覇の記念キャップを頂戴したばかり。近しい関係者が勝つたび淡い期待をかけるのは、貧乏人の悲しいさがか。むろん今週のジャパンCもダービーフィズら関東馬にぜひとも頑張ってもらいたいところである。

 それでも…。今週になってふと思い出すのは天皇賞のレース後の共同会見。妙に気になっているのが、ラブリーデイの池江泰寿調教師が発した次の言葉だ。

「ヨーロッパでは“今年の日本馬は弱い”という話が広まっているらしいが、次のジャパンCでも強さをお見せしたい」

 ご存じの通り、外国馬の優勝は05年アルカセットが最後。06年ウィジャボード(3着)以降は馬券にさえ絡まず“外国馬=消し”というスタンスが正解となっている。しかし、日本に絶対エース不在の今年はどうだろう。1着賞金3億円の魅力を加味すれば、確かに今年の4頭、ビッグタイトルを持たないゆえの本気度、不気味さが伝わってくる。とりわけブリーダーズCを回避したフランス馬イラプトは、同時多発テロに揺れる国内情勢からも簡単に引き下がれない存在で…。週末まで日本馬との力関係をじっくり検討する必要がありそうだ。

 一方、“来年のジャンパー”候補として注目したいのは、西の重賞=京都2歳Sに出走のリスペクトアース。東京芝2000メートルの新馬戦を逃げ切り勇躍の西下となる。

「東スポ杯(芝1800メートル)に色気はなかったかって?この馬は根っからのステイヤー。二千でもまだ短いくらいだよ。とはいえ前走はロケットスタートで二の脚も速く、上がりも33秒台と文句なしの内容だからね。自分のペースで走れば重賞でも楽しみ。550キロの大型馬で、良くなるのはこれからさ」とベテランの椎名厩務員。もとから威勢のいいタイプだが、その視線はすでに来秋の淀に向いている。
 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

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