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夏のオープン特別は勢い重視

  • 2004年07月12日(月) 22時05分
 夏ということで、クラス移動が馬券上のテーマとなっている。

 そこでふと考えたのだが、今週東のメインとなるNSTオープンのような、オープン特別において、クラス移動はどのように作用するのだろう?

 新賞金で降級していく馬はいるが、なにしろオープンだから「上から落ちてくる馬」はいない。そして、下から勝ち上がってくる馬はぽつぽつといる。

 「降級馬は本来格上なんだから有利」というような、単純な構図が通用しないだけに、どんな馬を取ったらいいのか判断に苦しむ。

 そこで今回はこんな調査をしてみた。

○94年以降、7〜8月に平地で行われたオープン特別が対象(オープン特別という微妙な立場が重要なので、重賞は外した)。
○サンプル数を増やすため、芝ダート・距離は問わない。
○以上の競走を対象に、前走クラス別・着順別の複勝回収率を観察する。

 結果はこうである(数字は%)。

【前走着順 前走OP-前走条件級】
1着 95-84
2着 60-86
3着 72-63
4着 59-45
5着 55-48
(対象レースの全馬平均:72)

 前走クラスがどうというより、単に前走の着順がいい馬の回収率が高くなっている。

 以下は想像だが、降級していく馬というのは基本的に若い馬であり、オープンに残っている馬はイコール「強い馬」というわけではなく、手詰まりになっている馬も多いのだろう。その結果、勢いのある馬に屈することも多いということだ。

 仮にその想像が間違っていても、「前走4〜5着馬」といったハンパな層を買ってはいけないことだけは言えそうだ。誰にも分かるそこそこの馬であり、しかし馬券に絡む突破力には欠けているのだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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