函館記念である。本命サイドの馬券を買おうと楽しみにしている人はいないだろう。穴を買ってこその函館記念だ。
函館記念が荒れる一因は、巴賞好走馬が素直に走らないことである。過去10年で巴賞組は8連対しているのだが、そのうち実に7頭までが巴賞6着以下。唯一の例外が一昨年のトップコマンダーである(巴賞3着→函館記念2着)。
クラフトマンシップのように、あれだけ得意だった函館記念で、巴賞を好走した年だけぱったり来なくなった馬もいるのだから、よほどこのローテには何かがあるのだろう。
そしてもうひとつ、函館記念で超大穴をあける馬は、前年以前に函館滞在経験がある馬がほとんどで、しかもそれなりに結果も出していることを指摘しておきたい。
前年までに函館滞在経験があった馬を△、クラスを問わず3着以内があった馬を○、オープン連対歴があった馬を◎、札幌だけ滞在経験があった馬を★、そのうち馬券に絡んでいた馬を☆、函館・札幌ともに未経験を×とすると、過去10年の函館記念で10番人気以下・3着以内となった馬はこのようになる。
( )内は着順/人気・評価
ヒマラヤンブルー(2/11・◎)
アクティブバイオ(3/10・☆)
クラフトマンシップ(2/14・◎)
クラフトマンシップ(1/14・○)
エイシンガイモン(2/10・×)
カミノクレモナ(3/16・○)
グロリーシャルマン(2/14・○)
パルブライト(3/10・×)
ヤマニンリコール(2/12・○)
×が2頭いるが、このうちパルブライトはマル地で前年はまだ大井にいた。そう考えると北海道滞在経験がなかったのはエイシンガイモンだけで、札幌しか経験がなかったのもアクティブバイオだけということになる。
そして、△や★がいないことにも注目したい。「函館滞在経験(ない場合でも札幌経験)は必要、しかし北海道で前年までに好走歴のない人気薄馬はこない」ということになる。
反対に言えば、「ああ、この馬そういや前にも函館で馬券に絡んだことあったねえ〜」くらいの馬を買うのがよい。あまり函館成績がよいと人気になってしまうので、上位クラスの3着か、下級条件の1着くらいがちょうどいい。今年はきれいに該当する馬がいない(ワイルドスナイパーが前走を勝っていなければ人気も上がらず面白かった)が、来年以降のためにも覚えておこう。