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今の関屋記念に合う馬は?

  • 2004年07月26日(月) 19時16分
 新潟といえば今までのローカルとは別な趣きをもった雄大なコースだが、そのぶん騎手もレースの進め方が慎重になるという部分もある。前半無理をしたら、後半食われてしまう確率が高いからだ。

 そうなると今度は「裏の裏」になるのが競馬というもので、関屋記念もここ3回は前にいた組で決着している。唯一「差し」と呼べる連対は昨年のエイシンハリマオーだが、同馬も残り400mあたりではそこそこのところに進出していた。

 ちなみに、前後半のペースは、01年(46.2-45.6秒)、02年(46.4-45.4秒)、03年(46.0-45.8秒)であり、前傾ラップになったことは1度もない。

 また、1ハロン〜8ハロン目までの8つのラップのうち、1・2・8つ目を除く(最初はスタンディングダッシュなので遅くて当然、2ハロン目は速くて当然、最後は展開しだいだが余力がないぶん時計のかかるケースが多い)、3〜7番目について見てみると、

・01年=5ハロン目が11.8秒と遅く、7ハロン目が10.8秒で2ハロン目と並ぶレース内最速
・02年=4ハロン目が12.0秒と遅く、7ハロン目が11.0秒と速い
・03年=4ハロン目が11.7秒と遅く、7ハロン目が10.9秒と速い

となっている。

 ちなみに改装前は年によって緩む場所はバラバラで、7ハロン目が抜けて速くなったのは99年くらいだった。コースが変わった分、騎手の考えるセオリーが均一化され、ラップのパターンも統一されてきたのかもしれない。

 ともあれ、今の関屋記念においては「4〜5ハロン目にサボっていて残り400mから追い出す」というのは最悪で、「4〜5ハロン目にできるだけ進出しておいて、スパートは他馬よりワンテンポ後」が理想である。具体的にどれか、という以前に、そういうことができる脚質の馬、そういう競馬をしそうな騎手、という想像をめぐらせておこう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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