新潟といえば今までのローカルとは別な趣きをもった雄大なコースだが、そのぶん騎手もレースの進め方が慎重になるという部分もある。前半無理をしたら、後半食われてしまう確率が高いからだ。
そうなると今度は「裏の裏」になるのが競馬というもので、関屋記念もここ3回は前にいた組で決着している。唯一「差し」と呼べる連対は昨年のエイシンハリマオーだが、同馬も残り400mあたりではそこそこのところに進出していた。
ちなみに、前後半のペースは、01年(46.2-45.6秒)、02年(46.4-45.4秒)、03年(46.0-45.8秒)であり、前傾ラップになったことは1度もない。
また、1ハロン〜8ハロン目までの8つのラップのうち、1・2・8つ目を除く(最初はスタンディングダッシュなので遅くて当然、2ハロン目は速くて当然、最後は展開しだいだが余力がないぶん時計のかかるケースが多い)、3〜7番目について見てみると、
・01年=5ハロン目が11.8秒と遅く、7ハロン目が10.8秒で2ハロン目と並ぶレース内最速
・02年=4ハロン目が12.0秒と遅く、7ハロン目が11.0秒と速い
・03年=4ハロン目が11.7秒と遅く、7ハロン目が10.9秒と速い
となっている。
ちなみに改装前は年によって緩む場所はバラバラで、7ハロン目が抜けて速くなったのは99年くらいだった。コースが変わった分、騎手の考えるセオリーが均一化され、ラップのパターンも統一されてきたのかもしれない。
ともあれ、今の関屋記念においては「4〜5ハロン目にサボっていて残り400mから追い出す」というのは最悪で、「4〜5ハロン目にできるだけ進出しておいて、スパートは他馬よりワンテンポ後」が理想である。具体的にどれか、という以前に、そういうことができる脚質の馬、そういう競馬をしそうな騎手、という想像をめぐらせておこう。