昨年と今年のクイーンS、なにが違うといえば、やはりファインモーションがいるかいないかである。
昨年の本欄では、「牝馬限定重賞で単勝1倍台になるような馬は連には絡んでしまう」というようなことを書き、ファインモーションは2着だった。1頭ならともかく、負かす馬は2頭は出てはこないわけだ。
一方、今年は抜けた人気馬がいない。それでもなにかしら1番人気になる馬はいるわけだが、それが即おすすめということになるわけではない。
94年以降の古牝馬限定G2・G3を集計すると、1番人気の回収率は単76%・複79%。そのうち頭数ベースで2割を占める単勝1倍台の馬が単106%・複110%と活躍しており、それを除くと数字は単68%・複71%まで下がる。つまり、「そこそこの1番人気馬」はあまりおいしくない存在なのだ。
ということは、なんらかの形でひねった本命を立てる必要がある。その際のポイントは、私がことあるごとに書いている「競馬は前から買え」だろう。
クイーンSが開幕週に移ったのは一昨年だが、一昨年は4角で捲り先頭に立った7番人気ミツワトップレディが、1番人気ダイヤモンドビコーを封じて優勝した。また、昨年は同じく7番人気オースミハルカが逃げてファインモーションを封じている。
昨年・一昨年の札幌開幕週に行われた芝のレースは全部で24レースだが、連対馬48頭を4角での通過順にまとめると
先頭 13頭
2番手 15頭
3番手 5頭
4番手 7頭
5番手 5頭
6番手以降 3頭
となっている。6番手以降から連対した3頭は1200mが2鞍と2600mが1鞍なので、中距離は「前から」でいいだろう。
逃げ馬の脆さが嫌な人は、「とにかく2〜3番手キープ」をテーマに軸馬を選ぶとよいのではないだろうか。