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函館組の見極めがポイント

  • 2004年08月16日(月) 18時53分
 札幌記念は別定G2になってから既に7回行われた。

 出走馬はのべ83頭だが、全馬の単複をベタ買いした場合の回収率は単50%・複55%である。かなりの本命傾向だ。

 実際のところ、過去データを色々な条件で検索しても、回収率がプラスになるパターンをなかなか発見できない。

 しかも、札幌記念といえば牝馬が強いレース。別定G2とは思えないほど牝馬が頻繁に連対している。そんなこともあって、「ファインモーションから人気サイドで」と無難な計画を立てていてる本命党も少なくないだろう。

 しかし……穴買いたさに言うわけではないが、今年は多少紛れがあってもおかしくはないのではと思う。

 過去に、人気薄と呼べる馬が現条件で連対したのは2回。00年のダイワカーリアンと、02年のトウカイポイントである。

 この2年には共通項がある。圧倒的に格上と呼べる牡馬の人気馬がいなかったことだ。00年は牝馬のファレノプシスが1番人気で、重賞勝ちのないエアギャングスターが2番人気。3番人気が長期休養後まだ馬券に絡んでいなかったアドマイヤコジーン。

 02年は重賞勝ちのないコイントスが1番人気で、牝馬のテイエムオーシャンが2番人気。対古馬戦がはじめてのアドマイヤドンが3番人気だった。

 なんだかんだで札幌記念なんて毎年そんなメンバー構成だろうとも言えるのだが、しかし、今年の登録馬を見れば例年以上になんでもありなのは間違いない。

 そこで荒れる場合のポイントだが、一言で言うと函館から転戦してくる馬の扱いだ。今年は堅かったが、函館記念が能力検定として機能するレースではないぶん、札幌記念で人気の盲点になるケースが多い。函館組の見極めは慎重にしよう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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