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ハンデ戦であることを再認識

  • 2004年09月06日(月) 21時13分
 京成杯オータムハンデをうっかり「京王杯」と言ってしまう人はいまだに多いが、これがハンデ戦であることを知らない人はまずいない。なにしろレース名に「ハンデ」と書いてあるからだ。

 しかし、このレースで斤量というファクターが議論の主役になることはあまりないように思う。おそらくは、極端に重い斤量を背負わされる馬がいない(平成以降は58.5キロ)ことが理由のひとつになっているのだろう。

 ハンデ戦といえば、私がしつこく書いている話に「ハンデ戦は敢えて斤量の重い方から買え」というものがある。

 最近のハンデ戦は酷量を課さないので、実力差を埋めきることはできない。しかし、オッズに対する影響力はある。その結果として、斤量の重い馬の方が高い回収率を示す傾向があるのだ。

 ただ、この理論(?)にも注釈がつく。一般にハンデは「1キロ1馬身、長距離は1キロ2馬身」などというが、実際には中長距離の方で「重い順に買え」が機能しやすく、短距離戦ではそうでもなかったりするのだ。理由は定かでないが、斤量がスタートダッシュに影響するからではないかとも言われている。

 さて、問題は京成杯AHのようなマイルのハンデ戦だ。この場合はどうすればいいのか。

 結論から言うと、連対率ベースでは「斤量の重い順に買え」の通りになる。しかし、回収率まで十分になるのは58キロ以上の馬だけになる。

 実はこれでも「斤量重い順」が機能している方なのだ。マイルのハンデ戦全体だと、「重い順」はほとんど役に立たない。そう考えると、AHは秋緒戦にしては実力馬が強いレースということになるのだろう。

 中長距離戦のように重い方からベタ買いというわけにはいかないが、扱いに悩む2頭がいるようなときは「斤量の重いほう」を選択した方がいい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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