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スプリンターズSは馬場と相談

  • 2004年09月27日(月) 22時16分
 スプリンターズSは、時期移行の後も年ごとに細かい変動があり、傾向をつかみづらい。ちなみに、秋のはじめに移ってからの4年間は以下のように行われてきた(ABCは1週目からの仮柵の位置)。

2000年=中山連続開催の最終日
2001年=A→C→C→A
2002年=新潟で施行
2003年=A→A→B→B

 つまり、今年と全く同じ条件で行われたのは昨年だけなのだ。ただ、昨年は2週目に大量の雨が降り、さらにその後も時計のかかる状況が続いていた。一方、今年はかなり時計が速い。2日目には500万下で1分7秒6が出ているし、5日目も古馬の2レースはともに7秒台の決着だった。その後ひと雨きてシーキングマイラブの勝った500万下が1分8秒7(2着馬1分9秒5)と少し落ちついたが、週の後半は雨が降らないようなので、昨年よりは速い馬場になる可能性も高い。

 さて、この馬場が悩みどころである。実は今年、外国馬にチャンスがあると期待していた。日本も本格的な横綱がいる状況ではないし、レーティングからも馬券に絡んでおかしくはない。

 ただ、どうしても時計面での限界がある。香港のケープオブグッドホープを例にとると、地元でやっている競馬は1000mで56秒台後半、1200mで1分9秒前後だ。もちろん馬場が違うのだが、高速馬場で素直にタイムを伸ばす保証はない。

 ならば日本の人気馬……となるところだが、実はこれはこれで厄介な面がある。というのも、このところ日本の古馬スプリント界は時計勝負をあまりやってこなかったからだ。

 今年のOP特別・重賞を見ると、1分7秒台の決着は5レース。うち4レースは福島と小倉のOP特別で、重賞は高松宮記念のみ、それも1分7秒9とぎりぎりのところだ。

 究極のスピード馬場となれば、実力馬総崩れもありうる。反対に時計がかかるようになれば、外国馬が台頭する余地が出てくる。穴党としては中途半端な馬場だけ避けたいところだが、しかし、週頭の時点ではどちらになるのかさえ読めないのがつらいところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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