菊花賞で誰もが悩んでいるのが、コスモバルクの扱いだろう。「強さ」ということでは文句なしなのだが、気性、特に抑えの利かなさは長距離戦でネックになる。
今回コスモバルクは、逃げないにしても2〜3番手にはいそうなところ。そこで、平成以降の菊花賞のうち、向正面3番手以内の馬が連対したレースを参考にしてみたい。
向正面3番手以内から連対馬が出たのは、89年、92年、93年、98年、01年である。これらの5年について、
A.2ハロン目以外の最速ラップ
B.1ハロン目以外の最遅ラップ
C.上記2つの差
D.13秒以上かかったハロン数(1ハロン目除く)を見てみるとこうなる。
年度 A B C D
89年 11.3 13.7 2.4 2つ
92年 11.5 13.3 1.8 5つ
93年 11.3 13.3 2.0 1つ
98年 11.4 13.5 2.1 2つ
01年 11.4 13.2 1.8 2つ
基本的に、前に居る馬が残るためにはハロン単位で2秒レベルのメリハリをつけるか、遅いラップを増やす必要がある。92年は遅いパートが13.1-13.1-13.2-13.3-13.0だったし、01年は13秒台が2つしかないのだが12.9秒がひとつと12.8秒が2つあった。
一方、セントライト記念のラップはこう。
12.2-11.2-11.6-11.9-11.9-11.9-12.0-12.0-11.9-11.5-12.0
11秒台を連発しているところで掛かっていって、落ち着いたところでも12.0秒。それ自体がすごいレースであることは確かなのだが、菊花賞の練習という見地からは無価値である。
もちろんコスモバルクがラップにメリハリをつけられる可能性もあるし、スローで折り合う可能性だってある。しかし、全く対照的な意味を持つ前走を根拠に票が伸びてしまうということが、オッズ的に見て損であることは間違いない。