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JC以外の外国馬は…

  • 2004年11月08日(月) 16時36分
 ふだん海外競馬をチェックしていない人にとっては、外国馬の取捨というのは厄介なものだろう。分からないから切ってしまいたいが、たまに馬券に絡むと好配当になる。悩ましい存在である。

 昨年のエリザベス女王杯では、10番人気のタイガーテイルが3着に入った。前評判はそれほど高くなかったし、輸送費補助が出るようになったので来ただけだろうくらいにも言われていた。そんな馬でも馬券に絡むのだから、ファンの関心と迷いが高まるのは当然だ。

 考えてみると、今年のスプリンターズSでもケープオブグッドホープが3着しているし、外国馬の穴馬券というのは、なんだかんだで炸裂しているようにも思える。ただ、「思える」では根拠にならないので、ちょっと調べてみた。

 平成以降の平地国際レースへの外国馬出走は、のべ198例。その成績は[15-10-17-156]で勝率7.6%・連対率12.6%は高くないのだが、回収率は単138%・複98%と優秀だ。

 ちなみにJCは、日本馬が強すぎるせいか回収率ベースで単80%・複87%と、インディジェナスなどの波乱があっても数字はソコソコ止まり。これとJCダート(こちらは単複ともプラスなのだが)を除くと、回収率は単勝188%・複勝113%で共にプラスになる。つまり、あれこれ考えずに外国馬は「全部買え」で対処しても良いということだ。

 こう書くと私がウォートルベリーを買えと推奨しているように思われるだろうが、実はそういうわけではない。むしろ、ウォートルベリーという個体を見る限りでは全く買う気は起こらない。格の面でもソコソコの馬だし、ヨーロッパでも特にソフトな馬場でしか走らない馬で、日本競馬への適性は感じられない。買うのか買わないのかということなら、買いたくはない。

 ただ、先述のようなデータに従うなら「ダメだと思っても全部買っておけ」ということになるわけである。これがデータ派の迷いどころだ。悩んだ結果、「一応外国馬は全部買ってもいいんですよ」という話だけ書いておこうと思った次第なのだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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