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単純に前走着順を見る

  • 2004年11月15日(月) 15時16分
 その昔は人気馬が素直に来るG1として予想も簡単だったマイルCSだが、近年になってどんどん話が複雑になってきた。

 アグネスデジタルやトウカイポイントのような2ケタ人気馬は勝つし、さらに3着はここ4年連続で2ケタ人気馬から出ている。

 しかも、その荒れ方に法則性が無いのだ。前走距離をとっても、1200〜2000mの幅広いゾーンから人気薄好走馬が出ている(唯一1800m組は不振で、人気サイドの馬が2頭2着しただけ)。前走走っていたレースを見てもバラバラである。種牡馬にしても、10年・20頭の連対馬は14頭の種牡馬から出ており、極端な偏りもない。

 荒れるのだが切り口が無い、という不思議なレースだが、灯台下暗しというか、単純なところにひとつヒントがあった。

 前走重賞1・2着馬の成績が良いのである。

 前走1着馬は[3-2-4-14]勝率13.0%、連対率21.7%。回収率は単57%・複93%。
 前走2着馬は[2-1-2-15]勝率10.0%、連対率15.0%。回収率は単287%・複225%。

 前走1着馬の回収率はいまひとつだが、勝率・連対率は前走1着→前走大敗組へと、ほぼ綺麗な単調減少になっている。

 前走が1着・2着だった馬に加え、前々走好走→前走大敗→マイルCS好走というパターンも多い。全くノーヒントなわけではなく、最近いい着順を拾った馬が多いのだ。それでいて距離だなんだと勘ぐられ、人気落ちしている馬を狙うのがよいのだろう。

 今回、前走重賞勝ちはアドマイヤマックス、ファインモーション、ラクティ。2着はダンスインザムード、デュランダル、マイネルソロモン。この中で人気順の低い馬をむしろ積極的に買い目に入れてみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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