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阪神JFに注目

  • 2004年12月13日(月) 13時54分
 フェアリーSにはいくつかの傾向がある。

 まず、新馬を勝ちたての馬は馬券に絡まない。過去10年で[0-0-0-21]。1、2番人気に推された馬はいないが、3〜6番人気が各2頭ずついてこの成績だから、よほどのことだと言える。しかもこれは折り返しの新馬があった時代のものだから、一発勝負になった今年の「新馬組」はさらに厳しいこととなる。

 前走で未勝利を勝ち上がった馬も[1-0-4-17]と成績は芳しくない。勝ったのはサーガノヴェルだが、この馬はダートの未勝利戦(これがデビュー戦だったので、新馬組も完全100%ダメということにはならなくなってしまうのだが)を1秒ちぎっていた。この着差というのは重要で、3着に入った4頭はいずれも前走を0.3秒以上の着差で勝っていた。完璧に力の差を見せつけて、それでやっと複穴の資格が手に入るというわけである。

 3つめの傾向は、前走500万下・オープン特別・G3でそれぞれ連対率がほとんど変わらないということである。その一方、複勝回収率は70%・25%・18%と極端なことになっている。500万下組も単勝回収率は7%(70%の間違いではない)という凄いことになっているのだが、2、3着候補はここから探したほうがよい。

 最後に最も重要な傾向だが、阪神JF組がとにかく強い。過去10年の成績は[4-5-2-10]で回収率は単111%・複157%である。中1週になってから連対率ベースではトーンダウンしたが、ホワイトカーニバル(6番人気1着)のような穴馬も出ている。

 この阪神JF組、理想は6〜9着あたりに負けてきた馬なのだが、今年は2ケタ着順ばかり5頭が登録してきてしまった。ここは一応最先着馬を取るということでカシマフラワーが最有力か。2歳にして9戦目。さすがにお釣りは残っていないだろうが、こんなローテでも通用してしまうのがフェアリーSだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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