スマートフォン版へ

3歳馬の扱いがポイント

  • 2004年12月20日(月) 19時21分
 有馬記念といえば「3歳馬が古馬に通用するか」ということがテーマになるレースだが、実際には通用するどころの騒ぎではなく、平成以降は3歳馬が最も高い勝率、連対率を誇っている。

年齢別勝率・連対率(89年以降)

   勝率  連対率 単回収率 複回収率
3歳  10.9% 20.0%  86%   74%
4歳  4.3%  14.5%  10%   75%
5歳  8.9%  12.5%  148%  107%
6歳  3.7%  7.4%   510%  146%
7歳  0.0%  0.0%   0%   85%

 昨年は3歳馬が2、3着。一昨年と2年前は1着。00年は馬券に絡まなかったが5、6番人気の2頭のみの出走。97〜99年も1頭は馬券に絡んでおり、今年のような大量出走の年は最低1頭は3連単に入ってくる。

 唯一問題があるとすれば、菊花賞→JC→有馬記念というローテをこなしたのがシルクジャスティスくらいということだが、今は菊花賞→JCが以前より楽になっており、昨年のザッツザプレンティも敗因はデキよりペースに求めるべきだろう。

 なんだかデルタブルースやコスモバルクを庇っているようだが、それもそのはず、有馬記念では「そこそこ人気になる3歳馬」しか来ないのだ。

 平成以降、3歳で1番人気になった馬は単回収率24%・複回収率78%と平凡だが、2〜6番人気は揃って複勝回収率が100%を超えている。さらにこれが7番人気となると、23戦して[0-0-0-23]。3歳馬についてはプチサプライズはあるが、ビッグサプライズは無いのだ(ちなみに前掲の表が示すように、ビッグサプライズは5歳と6歳から出ている)。

 今回、デルタブルースとコスモバルクはまさに2〜6番人気にはまりそうなところ。前者はボニヤ騎手が2〜3着の多いタイプ、後者は内枠を引いてスムースな競馬をすれば1着もあるタイプと、「フォーメーションでの置きどころ」も分かりやすい。今年の有馬記念はこの2頭をどう活用するかが鍵となるだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング