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金杯組は斤量変化がポイント

  • 2005年01月17日(月) 15時53分
 AJCCは前走G1・G2出走馬がいればそれを素直に買った方がいいレースだが、昨年あたりは超のつく長期休養明けで実質的な該当馬がいなかった。

 今年はというと、登録馬に前走G1出走馬が1頭いる……が、JCダートから来たジンクライシスである。出られるようなら平安Sに出たいだろうし、昨年とほぼ同じ状況と言っていい。

 その昨年は、ダンツジャッジが勝ち、2着にウインジェネラーレ、3着ユキノサンロイヤルという結果だった。それぞれ前走がハンデG3(金杯)、準OP特別、OP特別とばらばらな参戦過程である。

 この3つの参戦過程について過去10年の結果から買いパターンをそれぞれ挙げてみよう。

 まず前走がハンデ重賞(旧鳴尾記念なども含む)の場合、ほとんどの馬は斤量増でAJCCに臨むことになるのだが、その馬たちの成績は[2-2-3-25]。回収率は単19%・複53%であまり妙味が無い。買うにしても前走5着以内の馬に限定する必要がある。

 一方、斤量減か斤量据え置きの馬たちは[1-2-1-4]で単41%・複93%。さらにサンプルが少なくなるが前走3着以内の馬は4頭いて[1-2-0-1]。今回のクラフトワークは単では買いづらいが馬券の中には入れておく必要がありそうだ。

 前走条件戦に出ていた馬は[2-2-1-14]と連対率は低いが、回収率が単132%・複94%と高くなっている。しかも、この組で来ているのは前走1着馬だけ。[2-2-1-5]で単252%・複179%である。

 今年は前走条件戦勝ちの登録馬がいないが、ニュアンスとしては前々走で準OP勝ちのエアシェイディが近いのではないだろうか。

 前走OP特別組は[0-0-2-13]。昨年のユキノサンロイヤルと、97年1番人気のキングオブダイヤがいるだけだ。この組は無理に取る必要はないだろう。

 というわけで、昨年同様G1組がいないことで浮上しそうなのはクラフトワークとエアシェイディ。これに、3パターンいずれの参戦過程でもないグラスポジションとニシノサブライム、あるいは斤量増だが金杯3着のキーボランチを絡ませて馬券を組み立てるのがよいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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