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オークスは桜花賞組の巻き返しを取るか、別路線組を取るか

  • 2017年05月19日(金) 18時00分


◆ハーツクライ産駒を重視したい

 今年は桜花賞馬に明らかな距離不安があり、他馬にもチャンスがある年。桜花賞組の巻き返しを取るか、別路線組を取るか、いずれにしても切り口の選択肢は多い。

 桜花賞馬に敬意を表してレーヌミノルから。ダイワメジャー産駒にも距離をこなす馬はいるのだが、オープンで2400mに勝つ馬というとなかなかいない。その意味で今回はかなり厳しい一戦だ。ただここ30年で見るとオークスで4番人気以下にしかならなかった桜花賞馬というのはすべて2着か3着に来ている。馬鹿にしすぎも考えもので、人気がないなら3連単の3着くらいにはつけておいたほうがいいだろう。

 ソウルスターリングの前走は馬場状態が響いた感もある。良馬場ならばこの馬の良さが出るし、関東でのレースというのも桜花賞に比べてプラス。距離は母を考えると大丈夫だが父についてはあくまで未知数。ただ最近のオークスで2400mぶんのスタミナが要求されるケースは少なく、2000mをこなせる馬であればなんとかなる。

 リスグラシューはハーツクライ産駒なので距離については安心感があり、それゆえ人気になりそうだ。個人的にもいちばん買いやすいと思う。ただなにぶんガサのない馬なので輸送は不安。我々は早めにシルシを決めなければならないが、皆さんは馬体重やパドックを見てから馬券を買えるのだから、最後までチェックしていただきたい。

 桜花賞組ではやはりアドマイヤミヤビの復活も気になるところ。桜花賞では全く競馬ができていない印象だった。これもソウルスターリングと同様良馬場なら見直さなくてはならないし、特に上がり勝負になると強みがある。

 フローラSは1、2着が人気薄だったが、人気薄でフローラSを好走した馬というのはこれまで本番での結果が良くない。それゆえフローラS組についてはモズカッチャンヤマカツグレースよりフローレスマジックの巻き返しに期待したい。実はハービンジャーも2400m以上のオープン勝ち馬は出ておらず、それも理由になる。

 この組については人気を裏切ったホウオウパフュームもまだ見限れない。ハーツクライ産駒重視でいくならなおさらだ。ただデータ的には重いシルシを打つまでの根拠はないので、△くらいの評価としておく。

 スイートピーS組については個人的に毎年切ることにしているので今年もシルシは打たないつもりでいる。ただ血統的には距離をこなせそうな馬も多いので、買いたい人を止めるつもりはない。

 オークスといえば毎年気になる忘れな草組。ハローユニコーンは消化しているレース数が多いので未知の部分に期待することはできないが、これもハーツクライ産駒なので無視はできないところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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