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Mボーラーは距離延長を克服できるか?

  • 2005年02月14日(月) 18時06分
 メイショウボーラーとアドマイヤドンの一騎討ちムードである。

 特にメイショウボーラーはダート入りしてからの2戦が完璧な強さだったため、本命党の強い信頼を勝ち取っているようだ。

 ただ、問題が全く無いわけではない。距離延長でここに臨むということである。

 フェブラリーSがG1になった97年以降、東京ダートの高額条件戦(準OP以上)は56レース行われている。

 その出走馬、延べ840頭を「前走1400m以下」「前走1600m」「前走1700m以上」(前走ダートのみ)と分けた場合、成績は次のようになる。

      勝率 連対率 単回収 複回収
距離延長組 4.1% 9.6% 52% 59%
1600m組   8.8% 14.0% 54% 61%
距離短縮組 8.9% 18.1% 78% 86%

 あらゆる指標で距離延長組は不利である。

 距離延長で臨んだ馬は、延べ291頭なのだが、そのうち1番人気馬の成績は[2-2-2-13]。回収率が単21%・複42%と極端に低い。

 ただ、2番人気だと[2-6-4-5]で単64%・複121%といきなり安定味が出てきてしまうのが不思議なところである。

 今回アドマイヤドンとどちらの単勝が売れるかで結果が変わるものではないから、オッズそのものの方に注目すると、単勝3倍台あたりまではうまみがなく、4倍台あたりの時に2、3着付けのうまみが出てくるという数字が出ている。

 メイショウボーラーは逃げ馬だから、本当は「ピンかパー」になりそうなものだが、「普通の馬なら大敗するところ→地力で踏みとどまる」という結果になるシナリオも考えられなくはない。

 ともあれ、メイショウボーラーを積極的に買う場合でも、「距離延長同士の組み合わせ」は取らないようにしていった方がいいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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