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ジャパンC、キタサンブラックが気になるのは他馬の出方か

  • 2017年11月24日(金) 18時00分


◆馬券は日本馬だけでよいはず

 今年のジャパンカップは3カ国4頭の外国馬が集まって、まずまず格好はついた。しかし外国馬は10年馬券に絡んでいないし、今年の4頭でどれかが、という予感もない。

 アイダホは、全兄ハイランドリールとはややタイプが違って、兄のほうが日本の馬場への適性はあるように思う。イキートスは昨年まずまずの走り(7着)だったが、今年そこから着順を上げてきそうな理由がない。ギニョールは今年好調だししぶとい馬だが、ここでは自分の形で競馬ができるかも微妙。欧州域内の遠征でも結果が出ない馬なので状態面も不安だ。ブームタイムはコーフィールドカップ勝ちが52キロでのもの。このメンバーでは苦しいだろう。

 馬券は日本馬だけでよいはず。キタサンブラックは今回も枠に恵まれた。不良馬場を走ったダメージについては、過去の同種データが示す限りではさほど問題ではない(もちろん個体による問題はある)。

 ギニョールとはスピードが違うので、ハナに行くのではないだろうか。問題は他馬の出方だ。レイデオロが相手は1頭と決め打ちでマークしてくる可能性はある。早めに来られた場合、どの程度負荷がかかってしまうか。

 そのレイデオロは、ダービーでの捲りにしても神戸新聞杯での好位付けにしても、鞍上が瞬発力勝負は避けたいと思っている様子がうかがえる。まして今回は2番枠。引いて外を捲るロスを受け容れるよりは初手から位置を取っていくだろうし、それが正解でもあると思う。

 サトノクラウンもあまり置かれたくはないが、枠を考えると差しに構えるしかないだろう。展開待ちの立場ではある。GIのミルコということでかなり人気にはなるだろうが、前走の雨はこの馬にはプラスだったはずで、そのアドバンテージが今回失われるという問題はある。

 位置を取ろうと思えば取れるという点からソウルスターリングあたりはちょっと面白い。対古馬の2戦は逃げさせられたり不良馬場だったりで言い訳はきく競馬。今回は巻き返してくるケースも想定したい。

 逆に、レインボーラインは前走が馬場の恩恵という気もするし、そもそも超人気薄激走馬がJCで続いて好走するケースというのはあまり多くはない。負け組4歳馬ならばマカヒキに注目してみたい。レイデオロがキタサンブラックに負荷をかけるような展開だと、差し馬が伸びて2〜3着というケースはありそうだ。

 別路線組ではシュヴァルグランがある程度人気になるかもしれないが、東京での好走2回はいずれも外枠でのもの。1番枠からの競馬はこの馬にとって意外と難しい。京都大賞典組では、データと関係なくサウンズオブアースをヒモ穴に検討したい。人気のない状況下でも2着はありうる馬だし、テン乗りでの田辺騎手というのはかなり魅力的だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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