スマートフォン版へ

頭数と展開はいかに?

  • 2005年04月25日(月) 11時08分
 天皇賞春を予想する上でのポイントは、とにかく「上がり勝負になるのか、ならないのか」という点に尽きる。

 過去10年(という括りはほぼイコール、サンデーサイレンスの時代でもあり意味のある括りなのだが)で見ると、上がり勝負になった年はだいたい本命サイドの決着になっている。

 何をもって上がり勝負というかだが、ラスト3Fに11秒台が2つある年としてみると、こんな感じだ。

   上がり3F     上位馬人気
02年 11.4-11.1-11.8 2、3、1番人気
01年 11.7-11.9-12.3 1、3、2番人気
00年 11.5-11.2-11.9 1、3、2番人気
99年 11.4-11.5-11.4 1、3、2番人気
98年 11.8-12.0-11.8 2、10、5番人気
97年 11.2-11.6-12.0 2、1、3番人気
96年 11.8-11.6-11.7 3、1、4番人気

 98年(例外)を除いては、上位人気馬同士の組み合わせで決まっている。

 上がりが速くなるというのは当然道中がそれだけ楽だということでもあり、3200mぶんきっちりのスタミナが問われていないということでもある。そうなると、当然ながら2400mで強い馬が台頭するわけで、2400m前後で強い馬というのはダービーやジャパンC、有馬記念で活躍しているわけだから、ネームヴァリューがある=人気にもなる、という構造なわけである。

 昨年と一昨年はこれとは逆のステイヤー色の強い決着になったが、その背景には18頭立てという多頭数があった。まずは木曜日に確定出馬で頭数を確認し、「2400mっぽい結果になる」のか「みっちり3200mぶん走らされる結果になる」のか話を整理した方がいいだろう。

 今年は抜けた人気馬がいないので、前者のシナリオでもいい配当になる可能性はある。しかし、シナリオを読む作業そのものは必要だ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング