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乗り替わり馬をどう扱うか

  • 2005年05月16日(月) 15時05分
 今年のオークスでは厄介なテーマがひとつある。乗り替わりになる馬の扱いだ。

 そもそも、G1における乗り替わりというのは、基本的にいい材料ではない。どのG1でとっても、継続騎乗の馬の勝率は乗り替わり馬のそれを上回る。

 ちなみに、オークスの場合の成績は次の通りとなっている。

勝率-連対率-単回収-複回収
継続騎乗〜6.4%-12.8%-66-61
乗り替わり〜3.8%-7.7%-30-130

 乗り替わりの複勝回収率が高いが、これはチューニーなど人気薄の2、3着があったため。2ケタ人気クラスの人気薄ならダメモトで△を回してもいいのだが、今年テーマとなるのは人気サイドの乗り替わりである。

 過去10年、乗り替わりでオークスを勝ったのは2頭。1頭はエアグルーヴで、これは桜花賞を回避していたうえ外国人騎手からの乗り替わりという特殊なケースだった。もう1頭はエリモエクセルで、これは7番人気だったから人気サイドと呼んでいいかどうか微妙なところだ。

 2着も2頭。1頭は先述したチューニーで、もう1頭は1番人気2着のトゥザヴィクトリーである。

 サンプル数が少ないので悩むところだが、「乗り替わりでも人気になる馬なら大丈夫」と割り切ってしまうのもひとつの手ではある。前掲のデータは人気にならない馬が足をひっぱっており、3番人気以内に限定してしまえば[1-1-1-1]と安定はしている。

 ただ、そういう前提でたとえば◎シーザリオとすると、結果的に乗り替わりどうしの組み合わせも取ることになる。既に述べたとおり、G1の舞台で乗り替わりというのは一般論としてプラスではないので、「乗り替わりどうし」というのはちょっと躊躇してしまうところだ。

 騎手起用が以前に比べてドライになっているので、過去のデータは通用しないと割り切るか、乗り替わり馬どうしの組み合わせぐらいは避けるか、ここが今年のオークスのひとつの悩みどころである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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