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ジンクスに挑むゼンノロブロイ

  • 2005年06月20日(月) 16時41分
 毎日のように競馬の原稿を書いていると、「自分で書いておいて忘れる」ということが結構ある。カッコいいことではないが、正直なところ少なからずある。結果として、「あんた前に書いたことと矛盾するシルシになってるよ」と言われることもあれば、直前予想がハズれてるのに「須田さんが書いてた通りでしたね」なんてこともある。

 今週、宝塚記念を予想するにあたって、幸か不幸か「思い出してしまったこと」がひとつある。自分の著書、「須田鷹雄の重賞的中指南書」(東邦出版)を読み返していたらこんなことが書いてあった(書いてあった、というのもまるで人ごとだが)。

 「一度、宝塚記念で4着以下になった馬が、翌年以降の宝塚記念で着順を上げて3着以内になることはない」

 平成以降の宝塚記念について「3着以内と4着以下」の両方がある馬は14頭いる。そのうち1着と4着以下の両方がある馬は4頭。

イナリワン   1→4着
グラスワンダー 1→6着
メジロパーマー 1→10着
ダンツフレーム 1→7着

 2着と4着以下の両方があった馬はさらに4頭。

ツルマルボーイ   2→2→6着
ステイゴールド   2→3→4→4着
タイキブリザード  2→4着
アイルトンシンボリ 5→2→5着

 アイルトンシンボリが5着のあと2着しているのだが、これは前出の本で対象外となる「過去10年」より以前の93→94年のことだ。他に、オースミロッチとヤエノムテキが4着以下→3着しているが、比率で言えば11対3で「着順を落とす馬」が多いことになる。この他に「2度以上出走してともに3着以内」の馬がいることを考えると、「着順を上げて馬券に絡む馬」のシェアが相当に低いことがお分かりいただけるだろう。

 今回の登録馬で出走すれば、このジンクスに挑むことになるのはサイレントディール、スティルインラブ、ゼンノロブロイ。ゼンノロブロイが対象になるだけに大問題だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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