毎日のように競馬の原稿を書いていると、「自分で書いておいて忘れる」ということが結構ある。カッコいいことではないが、正直なところ少なからずある。結果として、「あんた前に書いたことと矛盾するシルシになってるよ」と言われることもあれば、直前予想がハズれてるのに「須田さんが書いてた通りでしたね」なんてこともある。
今週、宝塚記念を予想するにあたって、幸か不幸か「思い出してしまったこと」がひとつある。自分の著書、「須田鷹雄の重賞的中指南書」(東邦出版)を読み返していたらこんなことが書いてあった(書いてあった、というのもまるで人ごとだが)。
「一度、宝塚記念で4着以下になった馬が、翌年以降の宝塚記念で着順を上げて3着以内になることはない」
平成以降の宝塚記念について「3着以内と4着以下」の両方がある馬は14頭いる。そのうち1着と4着以下の両方がある馬は4頭。
イナリワン 1→4着
グラスワンダー 1→6着
メジロパーマー 1→10着
ダンツフレーム 1→7着
2着と4着以下の両方があった馬はさらに4頭。
ツルマルボーイ 2→2→6着
ステイゴールド 2→3→4→4着
タイキブリザード 2→4着
アイルトンシンボリ 5→2→5着
アイルトンシンボリが5着のあと2着しているのだが、これは前出の本で対象外となる「過去10年」より以前の93→94年のことだ。他に、オースミロッチとヤエノムテキが4着以下→3着しているが、比率で言えば11対3で「着順を落とす馬」が多いことになる。この他に「2度以上出走してともに3着以内」の馬がいることを考えると、「着順を上げて馬券に絡む馬」のシェアが相当に低いことがお分かりいただけるだろう。
今回の登録馬で出走すれば、このジンクスに挑むことになるのはサイレントディール、スティルインラブ、ゼンノロブロイ。ゼンノロブロイが対象になるだけに大問題だ。