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実績馬が強いマーメイドS

  • 2005年07月04日(月) 17時01分
 マーメイドSの登録馬を見渡して、気になるのはダイワエルシエーロの存在だ。同馬は前走の愛知杯が16着、その前のダービー卿CTも16着。愛知杯は18頭立てだったから「ビリ2連発」ではないのだが、それでも「大」のつく連敗を喫してきたことは確かである。

 今回、相手関係が楽になるからといって素直に買っていいのか?と悩んでいる人も多いだろうが、データ上だけのことを言うなら「買い」である。マーメイドSは、適性や状態といった難しい話抜きに、格上の馬が来ることが多いレースだからだ。

 レース創設から昨年まで、3歳以降のGIで連対歴のあった馬は[6-4-1-5]。単複とも回収率は100%を超えており、ベタ買いできるレベルにある。

 一方、前走10着以下に負けていた馬の成績は[2-1-1-22]。3着は当時3歳のエガオヲミセテなのだが、連対した3頭はすべてGIクラスの馬である。

年度着順-馬名-前走
97年1着-エアグルーヴ-秋華賞10着
01年2着-ヤマカツスズラン-安田記念12着
03年1着-ローズバド-安田記念14着
 
 このうちヤマカツスズランは高知の黒船賞から始まって10→14→10→12着と大敗を続けていた。

 この他にゴールデンジャック、エリモエクセル、フサイチエアデール、テイエムオーシャンが前走掲示板を外しながらマーメイドSでは連対しており、GI連対級の馬については「前走着順関係ナシ」と考えてもいいものと思われる。もし今回、ダイワエルシエーロが大敗するとしたら、状態云々以上にメンタルなものである可能性が高い。

 ちなみに、平成以降の平地重賞優勝馬のべ1843頭のうち、前走で16着以下だった馬は12頭。2戦連続で16着以下だった馬というのはおらず、ダイワエルシエーロが勝てばひとつの記録となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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