函館記念のデータを調べていて、興味深い事実に気が付いた。
前走と同じ騎手が乗った馬より、乗り替わりの馬のほうが成績が良いのである。
函館記念は97年からハンデ戦に戻ったレースだが、騎手と斤量条件はあまり関連が無いと思われるので、単純に過去10年を対象としてみる。
まず、前走と同じ騎手が乗っていたケースは[4-6-6-62]で勝率5.1%・連対率12.8%。回収率は単勝25%・複勝80%である。
一方、乗り替わりは[6-4-4-59]で勝率8.2%・連対率13.7%。回収率は単勝184%・複勝120%で大幅にプラス決算だ。
継続騎乗組も2ケタ人気で馬券に絡んだ馬が何頭かいるのだが、それでも回収率が伸びきっていない。その一方で乗り替わり馬の回収率はすさまじい。
乗り替わり馬が活躍する構図にはふたつある。ひとつは、他場から転戦してきた馬が騎手を変えるケース。もうひとつは、馬も騎手も函館組だが「選ばれなかった」というケースである。前者も、重賞なのに騎手が馬についてこなかったわけだから、「選ばれなかった」と言えるだろう。
函館組について例を挙げると、例えば昨年ワイルドスナイパーは松永幹→藤岡で9番人気3着したが、前任者の松永幹は3番人気7着だった(ダービーレグノ)。00年に7番人気2着だったオースミタイカンは横山典→小林徹だったが、このとき横山典はアドマイヤコジーンで1番人気6着だった。極めつけは99年で、6番人気1着のジョービッグバンと4番人気11着のブリリアントロード。どちらでも選べたはずの山田和が、後者を選んでいた。
これらのケースに共通するのは、「乗り替わられ」で好走した馬が条件戦上がりだったということである。「選んだ選ばれた」の話でなく、当然のこととして乗り替わりになっていたのだ。
こういうタイプの馬が来るときはレースにおいて格が通用しなくなっているわけで、前走騎手が乗った(選んだ)人気馬の方を買う必要が無いということになる。「乗り替わられた馬を買うときは、乗らなかった騎手は買わない」とすると購入点数も減らせるはずだ。