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特殊な関屋記念のラップ

  • 2005年07月25日(月) 13時24分
 今年のNSTオープンは、久々に極端なラップのレースとなった。

 12.3-10.3-10.8-11.1-11.3-11.6-12.6

 10秒台がふたつ続き、そのツケはラスト1ハロンに現れた。ウインラディウスは「嵌った」という面もあるので、有力ではあるが過信しすぎないほうがいいのかもしれない。一方でロイヤルキャンサーの粘りはたいしたものだったのだが、登録が無いものはどうしようもない。

 改装後のNSTオープンおよび旧朱鷺Sで10秒台のラップが2つ続いたことそのものは珍しくはなく、むしろそうならなかったのは04年だけである。ただ、他の3回のうちラストが12秒台になったのは02年だけで、それも12.1。レース全体は1分19秒0という超高速決着だった(今年は1分20秒0)。

 今年の芝1400mは、初日に行われた白山特別も極端な展開となった。

 12.0-10.2-10.6-11.2-11.6-12.0-13.4

 最後は全馬止まったという決着である。馬場が以前と違うのかどうか分からないが、一本調子に押し切れるというタイプの馬場ではないようだ。

 関屋記念は距離が伸び、外回りになることでラップ構造が変わるが、こちらはこちらで凸凹のあるラップになるものと思われる。

 改装後・過去4回の関屋記念のうち、3回までは「最初から2ハロン目」と「最後から2ハロン目」の両方が10秒台になっている。唯一例外の02年もラストから2ハロン目は11秒フラットで、残り600mから「遅い→速い→遅い」という形になっているのは変わらない。

 こういう馬場・展開に対応するためには、器用に脚の出し入れができることが必要だ。過去のレースを見て、特殊なラップに対応したことがあるかどうかを確認したい。

 登録馬中では、関屋記念で好走歴のあるロードフラッグなどは重視したいクチ。反対にダイワメジャーあたりは、フラットなラップのレースが向きそうで、あまり人気になるなら評価は下げたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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