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今年のJBC3競走の馬券売上は昨年の約4倍!

  • 2018年11月10日(土) 12時00分

一方、開催を引き受けたJRA側は...


 先週のJBC、みなさんの成績はいかがでしたか? 私は船橋競馬場のイベントで予想を披露しましたが、残念ながら・・・。

 まぁそれはそれとして、今年のJBC3競走の馬券売上は157億3086万8600円に達しました。去年、大井競馬場で開催されたときの売上が39億5251万2800円でしたから、その約4倍!改めてJRAの“威力”を感じさせる結果となりました。

 今夏、当サイトに掲載した地方競馬全国協会・塚田理事長のインタビュー記事はお読みになりましたか? その中で、理事長は「中央で開催することによって、より多くの方にJBCを知っていただきたい」とおっしゃっていました。そこには、中央の馬券しか買わない、という方も、今回のJBCを契機として地方競馬に“参加”していただけたら、という思いが込められています。

 これほどまでに売上が伸びたのは、「中央のレースなので買った」という方が多かったからに違いありません。そのうちのどのくらいの方が、今後の地方競馬や来年のJBC(浦和競馬場で開催)の馬券を買っていただけるか? それを見極めないことには、今回のJBC京都開催の成否を判断するわけにはいかないでしょう。

 一方、開催を引き受けたJRAの側からはどういうことが言えるのか? 単に売上だけを見ると、実は微妙な数字が浮かび上がっているようです。

 去年、11月第1週のJRAは、3日(金・祝)が京都・福島、4日(土)が東京・福島、5日(日)が東京・京都という3日間開催(このうち3日には大井がJBCを開催)で、同期間のJRA総売上は568億773万2700円でした。

 それが今年は、3日(土・祝)と4日の2日間開催となり、その中に中央のレースとしてJBCのGI(JpnI)3レースが組み込まれました。で、2日間の総売上は557億9077万6900円。前年比98.2%にとどまったんです(去年と今年の数字にはWIN5の売上は含まれていません)。

 ものすごく乱暴なまとめ方ですが、3場2日間開催の中に3つのGI競走を組み込むより、3場を2つずつ組み合わせて3日間開催にしたほうがGI3競走がなくても売上がよかった、という結果が出ちゃったわけです。

 ただし、開催競馬場の入場人員を見ると、今年の2日間のうち前年を下回ったのは4日(日)の東京だけ(約5000人減)。JBCが行われた同日の京都は前年比160.7%、人数にして5300人ほどの増加となりました。東京の減少分がそのまま京都の増加分になった感じ。去年は東京で観戦したファンのうち約5000人が、今年は「そうだ、京都行こう」と考えたのかもしれません。

 ちなみに、私が京王杯にちなんだトークショーをやった3日(土)の東京競馬の入場者数は、前年比約1300人増。このうちの何人分かが“イベント効果”によるものだったらウレシイのですが・・・。当日、会場にご参集いただいた方々には改めて御礼申し上げます!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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