スマートフォン版へ

平坦巧者にこだわって

  • 2005年08月15日(月) 20時11分
 アイビスサマーダッシュといえば言うまでもなくスピード自慢が集まるレースだが、ではどのくらい脚が速い馬なら勝ち負けになるのか、ということは意外に整理されていない。

 というか、整理したところであまり有益な結果が得られないようにも思える。例えば、初代勝ち馬のメジロダーリングはその前走が時計のかかる函館での重賞勝ちだったし、オープンに上がってからは1200mで1分08〜9秒台のレースばかりしていた。

 それよりも、注目した方がいいファクターは「(直線)平坦実績」なのではないだろうか。過去4回の優勝馬は、出走時点での坂コース・平坦コース実績が次のようになっていた。

(芝・1400m以下限定)
01年メジロダーリング
坂 [1-3-2-4]OP勝ちなし
平坦[6-1-2-7]OP4勝
02年カルストンライトオ
坂 [0-1-1-0]OP勝ちなし
平坦[5-1-3-4]OP2勝
03年イルバチオ
坂 [1-2-3-8]OP勝ちなし
平坦[2-0-2-3]OP勝ちなし
04年カルストンライトオ
坂 [0-1-2-2]OP勝ちなし
平坦[7-2-5-7]OP4勝

 2着馬を見ても、シンボリスウォードはオープンでの良績が福島・函館・札幌に多く、ティエッチグレースは唯一の芝オープン勝ちが福島のバーデンバーデンC。タカオルビーは全5勝のうち4勝までが直線平坦コースでのものだった。例外と言えるのは、東京コースに良績が多かったブレイクタイムだけだろう。

 夏のレースでかつGIIIということもあり、最近ローカルの短距離戦に出ていた馬が集まるのは当然でもある。しかしそんな中からさらに、デビュー戦まで遡って坂コースより平坦という馬を選ぶと、絞込みがより容易になるだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング