アイビスサマーダッシュといえば言うまでもなくスピード自慢が集まるレースだが、ではどのくらい脚が速い馬なら勝ち負けになるのか、ということは意外に整理されていない。
というか、整理したところであまり有益な結果が得られないようにも思える。例えば、初代勝ち馬のメジロダーリングはその前走が時計のかかる函館での重賞勝ちだったし、オープンに上がってからは1200mで1分08〜9秒台のレースばかりしていた。
それよりも、注目した方がいいファクターは「(直線)平坦実績」なのではないだろうか。過去4回の優勝馬は、出走時点での坂コース・平坦コース実績が次のようになっていた。
(芝・1400m以下限定)
01年メジロダーリング
坂 [1-3-2-4]OP勝ちなし
平坦[6-1-2-7]OP4勝
02年カルストンライトオ
坂 [0-1-1-0]OP勝ちなし
平坦[5-1-3-4]OP2勝
03年イルバチオ
坂 [1-2-3-8]OP勝ちなし
平坦[2-0-2-3]OP勝ちなし
04年カルストンライトオ
坂 [0-1-2-2]OP勝ちなし
平坦[7-2-5-7]OP4勝
2着馬を見ても、シンボリスウォードはオープンでの良績が福島・函館・札幌に多く、ティエッチグレースは唯一の芝オープン勝ちが福島のバーデンバーデンC。タカオルビーは全5勝のうち4勝までが直線平坦コースでのものだった。例外と言えるのは、東京コースに良績が多かったブレイクタイムだけだろう。
夏のレースでかつGIIIということもあり、最近ローカルの短距離戦に出ていた馬が集まるのは当然でもある。しかしそんな中からさらに、デビュー戦まで遡って坂コースより平坦という馬を選ぶと、絞込みがより容易になるだろう。