最近の中山金杯は堅いレースとなっている、が…
荒れる金杯、という言葉を知らない若いファンも増えているのかもしれない。最近の中山金杯はむしろ堅いレースとなっている。
過去10年の1番人気馬は[4-1-3-2]で回収率は単113%・複118%。また、優勝馬はすべて5番人気以内だ。
ハンデ戦→勢力が均衡する→荒れる、という図式が通用しなくなっているのはなぜか。昭和の時代との比較なら重いハンデを課さないことが影響しているのだろうが、20年前には既にその傾向になっていたので、加速度的に「荒れない傾向」が強まっている理由は分からない。ただ、結論としてそうなっていることは間違いない。
ただ、今年は例年の買いパターンに合致する馬が不在もしくは上位人気にならないので、穴党にとっても多少は楽しめる年になる可能性がある。
不在なのは前走重賞勝ち馬。過去10年[2-2-3-2]で居れば確固たる軸になるが、今年はこれが居ない。そのぶん他の馬、前走着順の良くない馬にもチャンスがあるということになる。
該当馬がいるものの上位人気にならなさそうなのは「前走から斤量増の馬」だ。過去10年で[9-5-5-12]。複勝率は61.3%にもおよび、回収率も単143%・複125%と高い。過去10年のうち9回はこのグループから勝ち馬が出ており、ここ4年はワンツーもしている。
問題は、今年の登録馬のうち該当馬がウインブライトとヤングマンパワーだということだ。前者は相手が強かったとはいえ3走続けて大敗しており、後者はマイルで手詰まりになって矛先を変えてきた馬。京都金杯に登録が無いから出走意思はあるのだろうが、登録時点でちょっと驚いた。いずれにしてもこの2頭は普通に予想すると買いづらい馬たちではある。
ただ、「今回斤量増・前走10着以下」の馬も過去10年[2-0-0-2]、前走6〜9着の馬が[0-1-1-4]で、大敗後でも全く可能性が無いわけではない。なかなかない「ちょっと荒れる中山金杯」を楽しむために、この2頭には注目しておきたい。