スマートフォン版へ

斤量増組が珍しい波乱を呼ぶ!?/中山金杯

  • 2019年01月03日(木) 12時00分

最近の中山金杯は堅いレースとなっている、が…


 荒れる金杯、という言葉を知らない若いファンも増えているのかもしれない。最近の中山金杯はむしろ堅いレースとなっている。

 過去10年の1番人気馬は[4-1-3-2]で回収率は単113%・複118%。また、優勝馬はすべて5番人気以内だ。

 ハンデ戦→勢力が均衡する→荒れる、という図式が通用しなくなっているのはなぜか。昭和の時代との比較なら重いハンデを課さないことが影響しているのだろうが、20年前には既にその傾向になっていたので、加速度的に「荒れない傾向」が強まっている理由は分からない。ただ、結論としてそうなっていることは間違いない。

 ただ、今年は例年の買いパターンに合致する馬が不在もしくは上位人気にならないので、穴党にとっても多少は楽しめる年になる可能性がある。

 不在なのは前走重賞勝ち馬。過去10年[2-2-3-2]で居れば確固たる軸になるが、今年はこれが居ない。そのぶん他の馬、前走着順の良くない馬にもチャンスがあるということになる。

 該当馬がいるものの上位人気にならなさそうなのは「前走から斤量増の馬」だ。過去10年で[9-5-5-12]。複勝率は61.3%にもおよび、回収率も単143%・複125%と高い。過去10年のうち9回はこのグループから勝ち馬が出ており、ここ4年はワンツーもしている。

 問題は、今年の登録馬のうち該当馬がウインブライトとヤングマンパワーだということだ。前者は相手が強かったとはいえ3走続けて大敗しており、後者はマイルで手詰まりになって矛先を変えてきた馬。京都金杯に登録が無いから出走意思はあるのだろうが、登録時点でちょっと驚いた。いずれにしてもこの2頭は普通に予想すると買いづらい馬たちではある。

 ただ、「今回斤量増・前走10着以下」の馬も過去10年[2-0-0-2]、前走6〜9着の馬が[0-1-1-4]で、大敗後でも全く可能性が無いわけではない。なかなかない「ちょっと荒れる中山金杯」を楽しむために、この2頭には注目しておきたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング