スマートフォン版へ

例年よりは荒れそうな雰囲気!?/フェブラリーS

  • 2019年02月11日(月) 18時00分

■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 厳寒期に行われるG1レースである、フェブラリーS。その攻略につながるデータとして真っ先にお伝えしたいのが、前走プラス体重馬の強さだ。過去10年の勝ち馬のうち9頭までが、前走プラス体重だった馬。また、過去10年で馬券に絡んだ馬についても、ちょうど半数である15頭が、前走プラス体重という条件を満たしていたのだ。

 論より証拠、掲載しているデータをご覧いただきたい。前走プラス体重馬はトータル[9-5-6-58]で連対率17.9%、複勝率25.6%、単勝適正回収値136.6、複勝回収値108という超優秀な内容で他を圧倒。対照的に不振であるのが前走マイナス体重馬で、その勝率はたったの1.7%しかない。回収率ベースの数値も低く、どちらを狙うべきかは明白だ。

 馬体重に関してはもうひとつ、「デカい馬のほうが強い」という傾向もある。成績優秀である前走プラス体重馬に限定したデータでも、この傾向はハッキリ見てとれるはずだ。「前走がプラス体重かつ500キロ以上」だった馬を重視するだけで、フェブラリーSの的中率や回収率は格段に変わってくるはずである。

 あとは、ふたケタ人気の超人気薄が苦戦していることや、5歳以下の若い馬が強いレースであること、外枠有利のイメージが強いが内枠も意外に強いことなども、しっかり押さえておくべきポイント。詳しくは後述するが、今年は人気馬がアテにできなさそうな気配。



【コース総論】東京ダ1600m

・コースの要所!

★基本的に人気サイドが強いコース。7番人気以下を1着で狙うのは避けたい。
★よく知られている通りに内枠不利かつ外枠有利。内枠は少し割引が必要か。
★最速上がり馬の成績が優秀で差せるコースだが、トータルでは先行勢優勢。





 2コーナー奥の引き込み線が発走地点で、スタート直後に芝を走る東京ダ1600m。内よりも外のほうが芝の区間を走る距離が長いため、スタートダッシュは外枠のほうがしやすいという特徴がある。それ以外は、最初のコーナー進入までの距離が十分に長く、大回りで最後の直線も長いという癖のないコース形態となっている。

 まずは人気別だが、1番人気を筆頭に人気サイドの強さが目立つ。もっと人気薄が好走しているイメージだったのだが、7〜9番人気ですら勝率は1.8%という低さで、それ以下の人気となると1着でくるケースはきわめてレア。7番人気以下については、2〜3着のヒモで狙うのが精一杯という内容である。極端な穴狙いは避けるべきコースだろう。

 続いて枠番だが、こちらは前述した通りに外枠有利かつ内枠不利。内枠である馬番1〜4番は勝率、連対率、複勝率のいずれもガクンと落ち込んでいる。これを理由に「消し」評価となるわけではないが、やはり相応の割引が必要。外枠重視のスタンスで臨んだほうが、好結果を期待できるコースであるのは間違いない。

 そして脚質について。最後の直線が長い東京のダートらしく、最速上がり馬が勝率33.3%、連対率51.0%と高信頼度。東京ダ1400mと同様に、かなり差しが決まりやすいコースではある。しかし、トータルでみると先行勢のほうが好内容で、一概に差し有利とはいえない印象。トップクラスにおいては先行勢と中団待機組が互角に張り合っている──といった捉え方のほうがベターだろう。

【レース総論】フェブラリーS(G1) 過去10年

・レースの要所!

★上位人気馬が好成績でふたケタ人気馬は絶不調。人気サイドを信頼すべき。
★コースデータ同様に外枠が強いが内枠も侮れず。真に弱いのはセンター枠。
★差せるが先行勢のほうが強いというのはコースデータ通り。好位がベスト。
★年齢別では5歳以下馬が優勢。出走数の多い根岸Sからのローテはイマイチ。








 レースの平均配当は、単勝3518円、馬連1万1678円、3連複1万1269円とかなり高めの水準。これはやはり、2014年にコパノリッキーが最低人気で1着に激走した影響が大きい。とはいえ、コパノリッキーはかなり例外的な存在で、ふたケタ人気馬が上位に食い込んだのはG1となってから3回だけ。過去10年では、これが唯一の好走例となっている。

 人気別成績を見ると、順当決着傾向が強いレースであるのがよくわかるはず。1番人気は[3-2-3-2]で複勝率80.0%と高信頼度で、2〜5番人気も優秀な内容を残しているなど、全体的に人気サイドが強いレースとなっている。このあたりはコースデータと共通する傾向で、思いきった人気薄から攻めるのではなく、上位人気から流して相手を絞るといったスタンスのほうが好結果を呼び込めそうだ。

 次に枠番だが、素晴らしい結果を残しているのが外枠である馬番13〜16番。単勝適正回収値113.1、複勝回収値142と、回収率ベースの数値も優秀だ。ただし、コースデータと大きく異なるのが「内枠不利ではない」という点で、ひとケタ人気に限定したデータでは、内枠である馬番1〜4番がトータル[4-2-2-14]で勝率18.2%、連対率27.3%、複勝率36.4%をマーク。センター枠である馬番5〜8番や馬番6〜12番のほうが買いづらい。

 脚質についてもコースデータ通りの結果で、差しや追い込みも決まるのだがトータルでは先行勢優勢。さすがに逃げ切るのは難しいが、好位〜中団やや前あたりがベストポジションである。年齢別では4〜5歳の若い馬が好成績で、7歳以上になると信頼度がガクンと落ちてしまう。4〜5歳馬を重視すべきで、6歳以上馬の過剰評価は禁物といえる。

 最後に前哨戦別での成績だが、目立っているのがもっとも出走数が多い、根岸S組の不振だ。勝ち馬だけは[2-1-1-4]と踏ん張っているのだが、根岸Sで4着以下に終わっていた馬は、フェブラリーSでは全滅。東海Sの好走組や前走G1出走組のほうが、信頼度は格段に高い。あとは、前走4着以下からの巻き返しがあまりきかないレースであるのも、覚えておきたいポイントである。

【血統総論】


 種牡馬別で成績のよさが目立っているのがゼンノロブロイ産駒やTapit産駒だが、残念ながらエントリーなし。それに次ぐ存在がキングカメハメハ産駒で、こちらはユラノトとレッツゴードンキの2頭が出走を予定している。それ以外では、勝率が高くキッチリと勝ちきっているゴールドアリュール産駒も、コース適性はかなり高いはず。複勝回収値が低く、人気薄での一発には期待できないが、人気馬の信頼度はかなりのものである。

★フェブラリーS・総論×各論

 破竹の6連勝で東海Sを制したインティに、古馬を相手に東京大賞典を制した「強い4歳世代」のオメガパフューム、東京ダートではオール連対中のゴールドドリームなど、G1にふさわしいメンバーが登録してきた今年のフェブラリーS。根岸Sを快勝したコパノキッキングに、藤田菜七子ジョッキーが騎乗するというのも話題となっている。ルヴァンスレーヴの姿がないのは残念だが、それでも寒波を吹き飛ばすような激戦が期待できそうだ。

 しかし、評価は非常に難しい。というのも「前走がプラス体重かつ馬体重500キロ以上」という特注条件を満たす馬が、人気サイドに見当たらないのだ。しかし、順当決着傾向が強いレースであるのは解説した通りで、極端な人気薄は狙いづらい。さらに、枠番による影響が大きなコース&レースであるのも、現時点での評価を難しくしている。

 特注データ条件を満たしている登録馬は、サクセスエナジー、サンライズソア、サンライズノヴァ、メイショウウタゲ、モーニン、ユラノト、レッツゴードンキ、ワンダーリーデル(除外対象)。ここから、他に買い材料があって中穴人気になりそう馬となると、上位評価組の候補はかなり限られてくる。

 現時点でのトップ評価はサンライズソア。昨年秋はJBCクラシックで3着、チャンピオンズCでも3着と、トップクラスの能力を見せている。好位からの競馬となりそうなことや、中穴人気になりそうなこと、東京でも結果を残していることなど、買い材料はかなり豊富な一戦。乗り替わる予定の田辺ジョッキーが、この馬でどんな手綱さばきを見せるのか、本当に楽しみである。

 二番手評価にユラノト。前走の根岸Sでは勝ち馬の決め手に屈したが、本馬が見せた内容もかなり優秀なものだ。競馬センスのいい馬で、スッといい位置を取れるのは本馬の大きな強み。1600mへの距離延長も問題なく、5歳馬であることや、キングカメハメハ産駒というのもプラスに評価できる。なお、こちらは福永ジョッキーに乗り替わる予定だ。

 三番手評価に、人気薄となるのが確実なサクセスエナジー。ダ1400mを主体に使われている馬で、東京ダ1600mでどうかという面は確かにある。しかし、買い材料は意外なほど多く、ハナ徹底型ではなくインティの番手で兼ね合えるという点もプラス。このレースで一発ドカン!とかます可能性を秘めているのは、この馬くらいのものだろう。

 ここまでが上位評価組で、以下はインティ、ゴールドドリーム、オメガパフューム、コパノキッキングという評価の序列。あとは枠番次第、当日の人気次第である。例年よりはナンボか荒れそうというのが見立てで、個人的には上位評価3頭を単勝で狙うのも面白そう──と考えてはいるのだが、あまり荒れない傾向のレース&コースであるのはお忘れなく。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



馬単2840円的中!

上位に評価した馬のワンツー(*^ω^)♪

1番人気の02インディチャンプが勝ったわりにはオイシイ配当で、今年の連載赤字(我ながら嫌な造語である)がだいぶ減ったのは喜ばしいかぎり。3着の01サトノアレスも内枠で、ほぼデータ通りに決まったといえるでしょう。次はドヤ顔クライマックスになれるくらい、でっかい配当を的中させたいところデスヨ(妄想)。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング