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超豪華メンバーが揃った金鯱賞

  • 2019年03月08日(金) 18時00分

施行時期の移動が激しくデータが通用しづらい一戦


 先日行われた中山記念も豪華メンバーのGIIだったが、金鯱賞も好メンバーとなった。施行時期の移動が激しくデータでは語りにくいレースなので、それぞれの馬の格とタイプで判断していくしかないだろう。

 ダノンプレミアムは本来なら一本かぶりになってよい馬。久々だけに使うほうも買うほうも恐る恐るという感じになるが、能力はやはり魅力だ。ダービーの6着も最後に力尽きた感じで、2000mは明らかに守備範囲。自分で競馬を作れるタイプだけに力でねじ伏せるような競馬を期待したい。

 アルアインはダノンプレミアムと近い位置で競馬をすることになりそう。典型的なキレないタイプだが、金鯱賞は別な時期に行われたレースも含め、持続力型の競馬になりやすい。相手関係もあるので勝ちきれるかどうかは結局微妙だが、良い競馬を期待したくなる一戦だ。

 エアウィンザーは以上の2頭を抑えて1番人気に推される可能性もある。デビューから14戦すべて上がり3位以内、うち9戦で上がり最速。ある程度の位置が取れるわりに上がりをしっかりまとめられる、テン良し中良し終い良しのタイプだ。今回は相手が強くなるが、ここ2走の着差を考えるとここでも差の無いところには来るだろう。

 ギベオンは同じコースの中日新聞杯に優勝。3歳で56キロのハンデを背負っての優勝だから価値がある。今回は相手が強くなるが、コース経験を生かしてどこまで食い込めるか。馬場が速くなるに従って傾向が薄れつつあるが、中京はかつてコース巧者が生まれやすい舞台だった。

 リスグラシューは上がりの額面だけならエアウィンザーより速いところを使える馬。溜めてはじけるタイプは、たまにこのレースで全員不発に終わることがあるのでそこだけが気がかり。先に記した馬でいうとアルアインあたりとは組み合わせづらい。

 ペルシアンナイトはひところの勢いがなくなってしまっている感がある。GI馬を侮るわけにはいかないが、まだある程度人気になるだけにここでは慎重に扱いたいところ。軸でというよりはヒモで扱うべきかと思う。

 モズカッチャンは久々の和田騎手でどんな競馬をするかが楽しみ。冷静に振り返ってみると2000mは1,3,3着だし、左回り2000mは勝ったフローラSだけ。メンバーが良すぎて人気が伸びないだろうが、忘れてはならない1頭だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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