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絶対王者不在となったスプリント界、高松宮記念の主役候補に躍り出るのは?

  • 2019年03月22日(金) 18時00分

高松宮記念、連勝で臨む2頭が人気を二分か


 ファインニードルが引退し、絶対王者がいなくなったスプリント界。連勝で臨む2頭が人気を分けそうだ。

 ダノンスマッシュは父と同じ重賞を連勝してここへ。前走のハンデを考えれば年長の馬たちに対して格負けする心配はない。好位につけるセンスのある馬だが、ちょっと消極的になるといままでと違う競馬を余儀なくされてややこしくなりそう。GIだからと気負わずに鞍上が競馬をしてくれればよいと思う。

 モズスーパーフレアは前走が圧巻の逃げ切り。逃げ馬で時計勝負も歓迎というのは普通に考えると圧倒的に有利な立場だ。問題はコース替わり。中京も改修直後のように時計がかかるわけではないので路面云々という話ではなく、単に別コースになることがリスク。中山と京都で逃げだけの競馬をしてきたので、まさかという馬に絡んでこられたり、スタートが遅かったときには怖い面もある。

 レッツゴードンキはこのレースとの相性が抜群。1200mだと差し構えだろうから脚質的に受け身な立場になるが、モズスーパーフレアの逃げに対し好位勢が早めに仕掛けるような形になると、この馬に展開が向いてくる。

 ナックビーナスは斤量差が改善された前走でモズスーパーフレアに完敗したため分が悪い面もあるが、こちらは中京でも走れる保証がある。モズ軽視の馬券を組む人はこの馬も見限らずにおきたい。

 ロジクライは確かに通用してもおかしくないのだが、鞍上で人気になりすぎている面もある。切るのは怖いが、どの程度の扱いにするかはオッズと相談したいところ。

 ミスターメロディは前走もう少し踏みとどまってほしかったというのが正直なところ。高松宮記念は前走で掲示板を外した馬の好走が難しいレースだが、今年はメンバーレベルがあまり高くないとも見えるので、その環境を生かせれば馬券圏内は考えられるかもしれない。

 人気薄からピックアップするとしたらアレスバローズとダイメイフジ。アレスバローズは同コースのCBC賞勝ちがあるし、前走についてハンデを言い訳にすればぎりぎり馬券圏内を見込めなくもない。ダイメイフジはモズスーパーフレアに先着歴もあるし、前走もよく走っている。ムラ駈けだが展開がはまってくれれば複穴にはなりうる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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