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複数頭出しは人気薄って、GIでも言えるの?/大阪杯

  • 2019年03月26日(火) 12時00分

格言として長年使われているが…


 大阪杯はGIになってまだ2回目なので、データの話はしづらい。そこで今回は豆知識的な話でお届けしよう。

 今回の登録馬には、同一厩舎の複数頭出しがなんと4組もいる。そこで「GIレースにおける複数頭出し」のデータを観察してみる。

 2009年以降のJRA平地GIにおける出走馬はのべ3799頭(カク地・カク外を除く)。そのうち658頭が同一厩舎複数頭出しによる出走だ。今回の対象厩舎について、「複数頭出し時の人気最上位馬・最下位馬」についての成績を出すと……
 
データ

 複数頭出しのいちばん上と下なので、3頭出しの2番目や4頭出しの2,3番目にあたる馬などは含まれない。ただ、複数頭出しで最も多いケースは2頭出しなので、これで雰囲気は分かるはずだ。

「2頭出しは人気薄」という格言があるが、ここでそれにあてはまるのは音無厩舎だけ。池江厩舎などはこのサンプル数でこの成績なら人気最上位馬を買いたいところだ。

 とはいえ1厩舎単位だとGI好走の回数も限られるので、全厩舎を対象にした数字も見ておこう。

データ

 勝率や複勝率で人気上位馬が勝るのは当たり前だが、人気下位馬が大穴一発で回収率を整えるのは難しいようだ。むしろ人気最上位馬は芝に限ると回収率が単100%・複93%と回収率も高水準にある。

 今回の対象厩舎は対象馬の人気が読みづらいところもあるが、迷ったら「複数頭出しの人気のあるほう」と考えてみてもよいようだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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