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前走の内容から、今回は定番の馬が堅そうな桜花賞

  • 2019年04月05日(金) 18時00分

桜の女王に最も近い存在は…


 デビュー戦ではグランアレグリアに敗れたが、直近の経緯を考えるとダノンファンタジーが桜の女王に最も近いと言えるだろう。チューリップ賞→桜花賞は細かい着順の入れ替わりもあるステップだが、前走の内容は展開等を考えるとダノンファンタジーが抜けている。チューリップ賞組に負かされることはないだろうし、他の組と比べても優位。阪神JFのときの位置からだとちょっと怖いが、中団やや前くらいにいればまず勝てそうだ。

 グランアレグリアは素質としてはダノンファンタジーに負けないものを持っているはずだが、臨戦過程が不安。単に休み明けとか遠征というだけでなく、イレギュラーなレース選択をした後でもある。ただそれだけに、ここを勝てなかったとしてもオークスでは積極的に買いたい。

 ダノンファンタジーを負かす馬が出るとしたらクロノジェネシスなのではと思う。バゴ産駒とは思えない決め手はとにかく一級品。自分の武器を信じて決め打ちの競馬をするしかないだけに、自身に展開が向いてダノンファンタジーの位置にはそうでもなかったというときに活路が拓ける。

 ビーチサンバは1勝馬だが、ここまで崩れずに来ているだけに今回も馬券圏内は期待できる。今年は阪神JF上位馬が揃って桜花賞に駒を進めているだけに、新興勢力に期待するよりは定番の馬を買うべきかと思う。

 シェーングランツはその阪神JFで4着。他馬が順調な一方で自身はチューリップ賞で伸び切れなかった。本番を見据えて割り切った叩きだったというならいいが、ちょっと今回重いシルシは回しづらい。

 珍しい1着同着になったフィリーズレビューだが、本番へ繋がる度合いとしてチューリップ賞よりは割り引く必要がある。特に今年は1〜3着馬がすべて1600m以上のオープンで馬券に絡んだ経歴なしに本番に臨むことになったのでなおさら厳しい。上位人気馬に取りこぼしがあった場合の3着候補という風に考えておくのがよいのではと思う。

 ヒモ穴として狙うならアクアミラビリスあたりに魅力を感じる。この馬も速い上がりを使える馬。フェアリーSの取りこぼしがあるので人気が伸びきらないが、中山よりは阪神外回りのほうがこの馬の良さは生きるだろう。

 アネモネS組は過去10年で[0-0-0-22]とだいぶ苦しい。ルガールカルムはまだキャリア4戦で伸びシロを残しているかもしれないが、データだと常識的には買えないところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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