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今年は春勢力圧倒の予感

  • 2005年10月10日(月) 10時21分
 秋華賞は、春勢力がそのまま勢力を保持して終わるケースと、新興勢力が下克上を果たすケースとに極端に分かれる。

 ファビラスラフインの勝った96年、ブゼンキャンドル・クロックワークの99年、ティコティコタックの00年、ファインモーションの02年は新興勢力が勝った年と言えるだろう。

 こういった年はローズSの段階でその気配があったのか、ということを考えてみたい。

 96年は新興勢力のヒシナタリー(本番では11着)が優勝、春勢力の代表であるファイトガリバーは2番人気7着だった。

 99年は新興勢力がローズS1、3着。春勢力はフサイチエアデールが2着したものの、トゥザヴィクトリーは4着。

 00年は春クラシックに出ていなかった馬が1〜3着。シルクプリマドンナ4着、チアズグレイス5着。

 02年はローズSの時点でファインモーションが圧倒。春勢力は、存在そのものが消滅ぎみだった。

 一方、春勢力がそのまま秋華賞で良い結果を出した年はどうか。

 97年は桜花賞馬キョウエイマーチが1着。2着は新興勢力のメイプルシロップ。3着にマイル路線からシーキングザパール。

 98年は唯一の春勢力一流馬ファレノプシスが1着。

 01年も春勢力の一流どころがローズバドしかいない状況。同馬が2着。1着は新興勢力のダイヤモンドビコー。

 03年はスティルインラブが人気を裏切ったが、アドマイヤグルーヴが貫禄を見せて優勝。2着は桜花賞・オークスとも4着のヤマカツリリー。

 こうして見ると、ローズSの段階で薄々「今年はどうなるか」という雰囲気は見えていたように思う。ローズSは春勢力が人気を裏切りやすいレースだが、その傾向に逆らって春勢力が上位に来た年は本番も春勢力が優位。その逆もしかりだ。「その逆」で唯一例外となったのは昨年(ローズSを新興勢力が制し、本番は春勢力が優位)だけである。

 昨年は新興勢力の定番、「古馬1000万下で3着以内」にあてはまる馬がいなかったということもあり例外になったのだろう。

 今年は、ローズSの段階で春勢力が圧倒。新興勢力はシルシ全体で1頭入れるのが精一杯。あまり穴党の出番はなさそうで、買い目をいかに絞るかというほうがメインテーマになりそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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