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【セントウルS】レース間隔の厳しいキーンランドC組か、展開が微妙な北九州記念組か

  • 2019年09月06日(金) 18時00分

どちらも強調材料に乏しい中で狙い目は…


 キーンランドC→セントウルSという使い方をした馬は過去10年で3頭しかいなかったのだが(いずれも人気薄かつ着外)、今年はタワーオブロンドンを含め4頭が登録してきた。その馬たちを含むサマースプリント組と、高松宮記念以来となるミスターメロディという構図のセントウルSになる。

 タワーオブロンドンは勝てばサマースプリントチャンプに手が届く一戦だが、藤沢和厩舎らしからぬ使い方だけに買う側が戸惑ってしまう。ちなみに2000年以降の古馬平地重賞における藤沢和厩舎のレース間隔別成績を見ても、強気要素とは言えない。あとは能力でどこまで押し切れるかというところだろう。

 普通ならレース間隔的に厳しいキーンランドC組を買わずに北九州記念組を買えばいい話なのだが、今年の北九州記念は9、3、5番人気の決着で、しかも今回出走する当時の1、3着馬はともに差した馬。逃げ・先行馬が少ない今回のメンバーで強調しづらい面がある。それでもこの組から推すとしたらダイメイプリンセスとアンヴァルにならざるをえない。1着付けまで見込めるかは微妙だが……。

 マテラスカイとイベリスの逃げ争いがどうなるかもレースの行方を左右する。芝でもスピードを出せるならマテラスカイがハナだろうが、そのケースでも番手の競馬ができそうなイベリスは馬券的に手を出しやすい存在だ。マイル重賞を勝っているが本質的にはスプリンターのようにも思うし、マテラスカイが失速してくれるような形になると、自然と良い着順が手に入る流れになる。

 イベリスの場合、あとは斤量差を生かしてミスターメロディ相手にどこまで粘れるかだろう。2キロ余分に背負うミスターメロディだが、このレースにおける斤量加算組はこれまで悪くない成績をあげている。問題があるとしたら休み明けのほうで、デキさえあれば馬券には絡んでくるほうが自然。ただステップのぶんだけ末が鈍るとしたら、イベリス→ミスターメロディのような馬単・3連単が正解になってくる可能性はある。

 他に好走の可能性があるとしたらファンタジストか。北九州記念はびっくりするほど前半ついていけなかったが、マイル以上で溜める競馬をしてきた経緯を考えると仕方ない面もある。6F戻り2戦目で感覚を取り戻し、かつマテラスカイ以外はがりがり行かない流れになった場合にはそこそこ追走→そこそこ好走というシナリオもありうる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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