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【日本ダービー】「内&好位組」の超高速決着に警戒

  • 2020年05月30日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 例年通り、ダービー週の芝はCコース変更1週目。内柵が3m外に移動されたことで先週までに傷んだ部分もカバーされた分、内と外の馬場差はフラット。ただ見た目の印象だけ言えば、昨年の土曜と比べると差しも決まった印象。時計はやはり出る。

 土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「11番手、7番手、13番手、1番手、7番手」。4番人気アンティシペイトが逃げ切った6R・3歳1勝クラス(芝2400m)を除けば、差し馬が台頭した。

 2R・3歳未勝利戦(芝1600m)は4コーナー11番手の3番人気ロバートソンキーが馬群をさばきつつ、残り1Fから外を一気。続く3R・3歳未勝利戦(芝1800m)は中団の外を走っていた1番人気ノーエクスキューズが力の違いかもしれないが、4コーナー7番手からあっさり。5R・3歳1勝クラス(芝1400m)を勝った2番人気レッドライデンも4コーナー13番手から、うまく馬群を縫う三浦騎手の好プレーもあったが、最後は外から突き抜けた。この1着馬3頭の4コーナーの位置だけ見れば、むしろ差し天国にも映る。その一方で2Rでは逃げたビービーグエルが3着。3Rで逃げたトーヨースターオーが2着。5Rは2番手追走のセイウンパワフルが2着と、逃げ&先行型も頑張ったことも見逃せない。

 ちなみに昨年ダービー前日の5月26日は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、5番手、2番手、5番手、2番手」。4コーナーの位置だけ見れば、昨年の方が完全に内&前有利だった。

 ただ、土曜の差しが決まった2R、3R、5Rは1400〜1800m戦。やはり参考にすべきはダービーと同距離で行われた6R・3歳1勝クラスかも。先に紹介した通りで中盤ペースを落とし、内ラチ沿いを逃げたアンティシペイトが後続を3馬身離して逃げ切り。3番手インから早め2番手のウインキートスも2着(結果的に3着)に粘る脚勢だった。少しでもペースが緩むと、内が粘る土壌も整っている。このレースの勝ち時計は2分24秒1(昨年の同条件が2分25秒5=勝ち馬ラクローチェ)。時計の出方は速い。3歳1勝クラスでこの時計が出るなら、ダービーは確実に「2分23秒台前半」。場合によっては2分22秒台の超高速決着も。ダービーは、乱ペースはなさそうな顔触れ。土曜の1800m以下のレースは差しも届いたが、2400mの大一番は「内&好位組」の粘り込みに警戒すべきかもしれない。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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