人気サイドも穴サイドも“牝馬”が立役者になる可能性が高い
今年の芝GIレースにおける顕著な傾向としては、牝馬の大活躍が挙げられます。
過去10年を振り返っても、18年までは牡馬・牝馬混合の芝GIレースで牝馬が勝利を収めることは年間で1〜2例のみというレアケースでしたが、19年は牝馬が3勝、20年は先週までの10レースで牝馬が5勝を挙げています。その内、牝馬の出走自体がほぼない3歳牡馬クラシックレースと天皇賞・春を除けば、実に6レース中5レースで牝馬が勝利、馬券内好走馬の18頭中11頭が牝馬という、牝馬だけ買っていればOKと言っても過言ではないレベルでの牝馬優勢の状況になっています。
牝馬がそれだけ活躍するようになった理由については、netkeiba Books+『
強い牝馬はナゼ増えた?』でも特集されており、繊細な牝馬が本来の力を発揮できるようになった「育成技術の発達」や「医療技術の進歩」などが挙げられていますが、その上での牡馬との2キロの斤量差というのも地味に大きいはずです。
例えば凱旋門賞での3歳馬(3歳牝馬)の活躍は日本でもよく知られるところですが、その欧州では3歳馬があまりに走り過ぎる状況を是正するために、2017年に3歳馬と古馬のアローワンス(負担斤量軽減)の縮小が行われました。日本ではその欧州よりも馬齢(3歳馬⇔古馬)によるアローワンスはおおむね小さく、性差(牡馬⇔牝馬)によるアローワンスは大きく設定されていますが、これが必要以上に牝馬優勢の状況を生んでいる可能性も指摘できます。
それでもまだ