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【阪神JF予想】土曜の傾向だけを見て決めつけるのは危険!?

  • 2020年12月12日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 阪神JFは例年開催2週目に行われるが、今年は京都のリニューアル工事に伴い、11月からの連続開催で6週目。芝コースは先週までのAコースからBコースに変更。直線部は内3m、曲線部は同4m地点に内柵が設置された。

 ただ結論から言うと、最後の直線は先週までに傷んだ内寄りの傷みが内柵ですべてカバーできず、傷んだ個所が残っている。土曜後半の芝競走のパトロールビデオを見ると、直線の内4頭分ぐらいは各馬が避けて通っている。これが、例年の阪神JF週とは違う点といえそうだ。

 土曜は、芝競走は6鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「3番手、1番手、2番手、1番手、4番手、5番手」。これだけを見ると、極端な前有利の芝状態に映るが、これはペースに左右された点も否定できない。

 1番人気ブレーヴジャッカルが最終4コーナー3番手から勝った4R・2歳未勝利戦(芝1600m)だけがレース前半3F35秒2〜後半3F35秒1で平均ペース。残り5戦はすべてスローペースだった。特に10R・境港特別(芝2400m)はレース前半3F40秒9〜レース後半3F33秒8と一年を通しても滅多にない超スローだった。展開の恩恵で逃げ〜好位組の活躍が目立ったともいえる。

 阪神JFと同じ芝1600mの11R・リゲルSは好位4〜5番手にいた1番人気シュリが馬場の「4分どころ」を抜けて快勝した。このレースもレース前半3F35秒6〜同後半3F33秒6だから、明らかに前有利のスロー。中団以降の馬が不発だったのもやむを得まい。ちなみにシュリの勝ち時計は1分33秒1。18年優勝馬パクスアメリカーナが1分33秒3、19年ストロングタイタンも1分33秒3なので、時計の出方自体は例年並み。

 阪神JFは1200mを使ってきた馬もいて、適度に流れそうなメンバー構成。土曜の傾向だけを見て前有利と決めつけるのは危険かもしれない。最後の直線で内寄りを避ける競馬は続きそうで、展開次第では中〜外からの差しが届くシーンもありそうだ。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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