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【シンザン記念予想】ある程度の波乱を前提に考えるべき!

  • 2021年01月05日(火) 18時00分

■シンザン記念(GIII・中京芝1600m)フルゲート16頭


★3行でわかる! シンザン記念 攻略の糸口

1.枠番や脚質は基本的にフラット。馬場バイアス重視で!
2.波乱傾向がけっこう強いレース。7〜9番人気は要注意。
3.前走2着以内馬が中心。前走重賞組は9着以内馬が○。

データ特注推奨馬
 ★レゾンドゥスリール

 けっこう「荒れる」部類のレースであるシンザン記念。10頭立ての少頭数だった昨年も、単勝1.6倍という圧倒的人気のルーツドールが7着に惨敗して、馬連3190円、3連複2万3390円というオイシイ配当となった。そして一昨年も、10番人気のマイネルフラップが2着に激走。中京での開催となる今年も、そうそう順当には決まらないはずだ。過去の傾向からは、7〜9番人気を重視するスタンスを推奨する。

 中京芝1600mはきわめてフラットなコースで、枠番や脚質による成績差が非常に小さい。枠番の内外などはあまり気にせず、その時期の馬場バイアスだけ考慮すればオッケイだ。あとは、「前走2着以内馬」が非常に強いレースであるのも、絶対に覚えておきたいポイント。トータル[8-5-4-34]と、この組が馬券絡みした馬の過半数を占めている。前走でも好走している馬を重視して、馬券を組み立てるべきである。

 あとは、前走が「重賞でひとケタ着順」「芝1600mの1勝クラス」「新馬で1番人気1着」のいずれかに該当する馬も、積極的に狙っていく価値アリ。前走でGIで出走していた馬の成績がイマイチであることや、2月生まれの馬がやたらと強いこと、継続騎乗組のほうが高信頼度かつ高回収値であること、エピファネイア産駒のコース適性が猛烈に高いことなども、覚えておいて損はない。

 データ特注推奨馬は、デビュー戦を好内容で快勝したレゾンドゥスリール。試金石となる一戦ではあるが、川田騎手が継続騎乗するならばかなり面白い。1番人気馬の信頼度が低めなので「2番人気以下となった場合」に限定するが、これさえクリアすれば、高確率で勝ち負けが期待できそうである。

【コース総論】中京芝1600m Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの強さが目立つコース。穴なら思いきって10〜12番人気が狙い目。
★枠番による成績の偏りが非常に小さいフラットなコース。外枠でも問題なし。
★先行勢が優勢も決め脚の鋭さが高いレベルで求められる。後方からでも届く。





 12月にも開催があった中京だが、今回もAコースを使用。例年とはパターンが異なるので、どういう馬場になるのか非常に読みづらい。芝1600mは、1〜2コーナーの中間にある引き込み線からのスタートで、緩いカーブを経てバックストレッチに進入するカタチ。東京芝1800mによく似ているコース形態だ。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが人気サイドの強さ。[25-14-11-28]で連対率50.0%をマークしている1番人気を筆頭に、上位人気はキッチリと結果を残している。回収値の高さもなかなかのもので、コレを嫌うのはナンセンス。素直にここから入っての「相手探し」が、基本的な馬券戦略となりそうだ。人気薄では、思いきって10〜12番人気あたりを狙うのがいいだろう。

 枠番はかなりフラットで、単純に内外を比較したデータにおいても、信頼度や回収率の差はほとんどなし。コース形態からは、少しだけ内枠有利になりそうな印象だったが、その信頼度は「どちらかといえば低い」といえるほど。当然、外枠だからといって評価を割り引く必要はまったくない。その時期の馬場バイアスだけを考慮すれば、とくに問題なさそうである。

 さらにいえば、脚質についてもかなりフラット。データ上だと一応は先行勢が優勢だが、最速上がり馬の内容が優秀であることや、4コーナーを11番手以下で回った追い込み勢が健闘していることなど、差し優勢だと感じられる部分も多い。そのレースの組み合わせ次第、馬場バイアス次第で、有利な脚質が変化するコースといえそうだ。

【レース総論】シンザン記念(GIII) 過去10回

・レースの要所!

★1番人気馬の信頼度が低めで、7〜9番人気が大活躍している波乱含みの一戦。
★馬券に絡んだ馬の半数が先行勢で、前走が2着以内だった馬の活躍も目立つ。
★前走GI組の過信は禁物も、前走重賞ひとケタ着順の馬は高信頼度&高回収率。
★距離延長組は成績不振。飛び抜けて成績がいい2月生まれの馬も要チェック。









 過去10年(すべて京都)を対象としたデータを掲載しているが、今年は中京での開催となるので、あくまで参考程度にしかならない。とはいえ、ほかに掲載するべきものもないので、「中京開催でもそれなりに意味がありそうなデータ」を取りあげている。今年はこういうパターンが多くなりそうだが、そこはご容赦を。

 シンザン記念の平均配当は、単勝1002円、馬連6454円、3連複2万5570円。ギリギリ手が届く程度でいいカンジに荒れるレースといった印象だ。1番人気の信頼度は低めで、2番人気のほうが内容ははるかに良好。トータルでいえば、人気サイドの信頼度は「そこそこ」といったところか。小〜中波乱あたりを狙うのが面白そうなレースである。

 ふたケタ人気馬はトータル[0-1-2-45]と冴えない結果に終わっているが、16・19年では馬券絡みしているだけに、警戒は必要。もっとも狙ってオイシイのは7〜9番人気で、こちらはトータル[3-4-1-22]で連対率23.3%、単勝適正回収値239.4、複勝回収値137という素晴らしい成績だ。このゾーンの単勝で勝負してみるのも、面白いだろう。

 枠番データは無意味なので割愛。脚質データもあまり意味はないが、馬券に絡んだ馬の半数が4コーナーを5番手以内で回った先行勢だったという点は、多少は意識しておきたい。そして前走着順別では、前走で2着以内だった馬が圧倒的な強さを見せている。前走3〜5着馬との成績差が極端に大きいので、このあたりはおそらく、今年に関しても重視するべきだと思われる。

 前走クラス別では、前走GI組がイマイチな結果に終わっているのが見てとれる。昨年2着のプリンスリターンのように上位に食い込んでくるケースもあるが、平均人気6.7に対して平均着順7.3、単勝回収値15といった内容を考えると、強くは推せない。前走GI組を1着で狙うような馬券は、ここでは避けるのがベターといえる。

 逆に狙い目となるのが、「前走1勝クラス出走組」と「前走重賞ひとケタ着順」の2パターン。後者には前走GI組が含まれるが、それでもトータル[3-3-3-16]で複勝率36.0%という信頼度の高さで、回収値もきわめて優秀だ。あとは、前走1番人気で新馬戦を勝っていた馬も、[1-1-1-3]と信頼度が非常に高い。

 前走距離別では、前走で芝1200〜1400m戦に出走していた、距離延長組の不振が目立つ。こちらは人気でも、相応の割引が必要だろう。また、完成度と関係してくる「生まれ月」別でのデータでは、2月生まれの馬が[5-4-4-26]で複勝率33.3%、複勝回収値138と、突出して好成績。今年はこれに該当する出走馬が少なくなりそうなので、なおさら注目したい。

 最後に騎手関連データだが、ここは継続騎乗組のほうが信頼度がやや高く、回収値の面でも優秀。乗り替わり組を嫌う必要はないが、継続騎乗組を重視した馬券のほうが、好結果を呼び込めることだろう。あとは近年、出走数の少ない関東馬や関東所属騎手が、侮れない結果を残しているのも要注目。アーモンドアイ、マイネルフラップ、プリンスリターンと、いずれも3年連続で連対を果たしている。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ロードカナロア産駒、エピファネイア産駒、アドマイヤムーン産駒をプラス評価の対象とした。なかでも「特注」がエピファネイア産駒で、連対率44.4%、単勝適正回収値141.9、複勝回収値207、ギャップ値プラスという素晴らしい結果を残している。高いコース適性を有しているのは間違いないので、ぜひ覚えておいていただきたい。

 ちなみに、キズナ産駒は[2-2-4-13]で連対率19.0%、複勝率38.1%と、コースとの相性のよさが感じられる内容。モーリス産駒は未勝利だが、[0-3-2-4]と出走馬の過半数が馬券絡みしている。詰めは甘いが、こちらもコース適性は低くはないと思われる。

★出走予定馬 総論×各論

 現段階で出走の意向が把握できているのは、13頭。朝日杯フューチュリティSの4着馬であるバスラットレオン、アルテミスSで2着に好走している牝馬のククナ、今回と同コースで1勝クラスを勝っているダディーズビビッドと、そのレースの2着馬であるシティレインボーなどが、出走を予定している。

 トップ評価は、データ特注推奨馬でもあるレゾンドゥスリール。初の左回り、一気に強化される相手関係など課題も多い一戦だが、味のある勝ちっぷりだったデビュー戦の内容からも通用しそう。遅咲き傾向のあるハーツクライ産駒ながら、母が阪神ジュベナイルFなどを制したローブティサージュで、しかも1月生まれと、完成度の高さもそれなりに期待できそうである。前述したように、2番人気以下になってくれるのを期待したい。

 二番手評価に牝馬のククナ。キャロットクラブの牝馬で関東馬、しかも前走がアルテミスSでの2着でルメール騎手が継続騎乗予定と、昨年の勝ち馬であるサンクテュエールとの共通項がメチャクチャ多い。12月中旬にノーザンファーム天栄から帰厩して、ここを目標に順調に乗り込まれている様子。いかにも上位争いができそうなプロフィルの持ち主だ。

 三番手評価にワザモノ。前走の中山・ひいらぎ賞は勝ったシュネルマイスターに完敗という内容だったが、中団からしぶとく脚を使って2着まで追い上げた内容には、なかなか見どころがある。黛騎手の継続騎乗で「関東馬×関東所属騎手」の組み合わせになれば、期待度はさらにアップ。7〜9番人気あたりに推されれば、なおさら面白い。

 以下はバスラットレオン、シティレインボー、カスティーリャという評価の序列。人気がサッパリ読めない段階での評価ではあるが、枠番による成績差が小さいコースでもあり、評価が大きく入れ替わることはないだろう。こういったところの組み合わせで「小〜中波乱」を狙うというのが、現時点での青写真だ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



サラキアさん買ってネエヨ(#^ω^)ビキビキ

 有終の美を飾るべく、「ガツン!」と音が出るレベルでアレコレ買った有馬記念。そして、トップ評価だった07ラッキーライラックは……最後の最後で伸びを欠いたよねえ(昏倒)。「07ラッキーライラックが高評価なのに14サラキアが低評価だった」というのも、忘れたいけど絶対に忘れちゃダメな反省材料。今年こそは……今年こそはッ!!

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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