毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
中山の芝は5日の中山金杯当日からCコース使用。週初めの火曜12日に1ミリの降雨を記録した後は安定した天気が続き、土曜は良馬場で行われた。先週のファアリーSの時も触れた通り、芝コース全体の内寄りが傷み始めてきて、特に道中でペースが緩むことが少ない芝1200m戦、1600m戦は直線で中〜外を通る馬の伸びが目立ってきている。
土曜朝測定のJRA発表のクッション値は「10.4」(やや硬め)。フェアリー当日の11日朝が「10.8」(やや硬め)だったので、標準方向に近づいている。土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、14番手、4番手、2番手、2番手」とバラエティーに富んでいた。
京成杯と同じ内回り2000mで行われた5R・3歳未勝利戦は道中後方から4コーナーで6番手に押し上げていた3番人気セナリストが一気に差し切った。続く6R・3歳新馬戦(芝1600m)は最終4コーナーでも14番手だった1番人気オメガロマンスが外から力強く伸びて、先に抜けた2番人気ホウオウラフィットをゴール寸前で鼻差かわした。レース前半3F36秒4〜同後半3F35秒8の平均ペース。
前が残ってもおかしくない展開を外から差したオメガロマンスは結果的には強かったのだが、差しが利く今の中山の芝状態を把握して、慌てずに乗っていた横山武史騎手の騎乗も光っていた。
土曜11R・カーバンクルS(芝1200m)はレース前半3F34秒5〜同後半34秒7の平均ペース。ここまで落ち着くと、差しが利く馬場とはいっても、先行勢がやはり強い。勝ったレジェーロは最終4コーナー2番手。道中5〜6番手にいたダイメイフジが2着。逃げたエレナアヴァンティが3着に粘り込んだ。
京成杯は前に行って勝ってきた馬は多い半面、逃げ争いは考えにくい顔触れ。道中で位置を取りやすい中距離戦だけに、直線は中〜外に出す馬も多そうだ。流れはS〜Mペース想定。差しが利く芝状態とはいっても、やはりある程度の位置は確保しておきたいところ。