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【安田記念予想】当日の天気によって馬場状態が大きく変化する可能性も

  • 2021年06月05日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。


 先週の日本ダービーを的中されたみなさん、おめでとうございました。今春の東京開催は開幕週からコース替わりに関係なく、当欄では「中〜外を通る馬の差しが届く」と取り上げてきました。ダービーもその通りの結果になったのですが、本命馬選択に失敗した私は不的中…。あらためて、安田記念で出直したいと思います。

 Cコース使用は先週のダービー週と同じ。ただ先週と違うのは、雨の影響を受けている点。東京競馬場は金曜4日に18.5ミリの降雨(JRA発表)。土曜の芝は「稍重」で始まり、正午に「良」に回復しました。ダービー当日の5月30日朝のクッション値が「9.7」(標準)。5日朝のクッション値は「9.3」(標準)。同じ標準でもクッション性は軟らかい方にシフトした形。3コーナーと正面直線の内寄りに傷みが出て、土曜中盤までは内ラチ沿いを通る馬の粘りも利いたが、傷みが進んだ後半は内寄りを避けて通るシーンが見られた。

 土曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「5番手、4番手、5番手、6番手、1番手」。中団〜後方からの差しが結構決まった先週と比べると、勝ち馬の道中の位置は1〜2列前になった。ただこれは「馬場状況」というよりは「展開」が大きい。土曜の芝競走5鞍はすべてスロー。安田記念と同じ1600m戦で行われた4R・3歳未勝利戦はレース前半35秒9〜後半3F34秒0と後半が速い後傾ラップ。勝った4番人気イザニコスは道中4〜5番手から伸びて快勝。1番人気ボルゾーバーは4コーナー9番手から外を伸びて、勝ち馬にクビ差まで迫った。派手な後方〜外差しは決まっていないものの、道中のペース次第では、傾向が変わった可能性もあったと思う。

 2勝クラスの10R・由比ヶ浜特別(芝1400m)は51キロの3歳馬アビッグチアが逃げ切り勝ち。そのアビッグチアを含め、各馬が最後の直線は内3〜4頭分を避けているのが印象的だった。勝ち時計1分20秒1は、コースレコード(1分19秒4=タワーオブロンドンが記録)と0秒7差。土曜の午後ほど乾いてきたのだろう。時計の出方だけみれば「高速馬場」といっていい。ちなみにこのレースの2着カイトゲニー、3着クリノプレミアムは好位から内寄りを通った組。内が傷んできたといっても、あまり外を通るのも厳しい。騎手にとって、進路取りの点では、悩ましい馬場状況かもしれない。

 ただ、問題は日曜の天気予報。ほとんどの気象機関が「曇時々雨」。ただ雨量に関しては、ばらつきもある。日曜の1R発走地点では雨は降らず、正午前後から降り出す見込み。1時間で5ミリ前後と強い雨を予想している機関もあれば、「弱雨」と予想している予報もある。土曜の最終レース終了時点でこの原稿を書かせていただいているが、安田記念の発走時点では「良」、「稍重」、場合によって「重」の3通りぐらい考えた方がいいかも…。予報が外れてこのまま良馬場なら、1分31秒台は出る高速馬場。ただ降ってしまうと、内寄りの悪化は進みそう。道悪の巧拙が問われるまで悪化する恐れもある。当日の天気やレース傾向をご確認していただければと思います。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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