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【七夕賞予想】前主導の競馬が続いたが雨量次第で急変も

  • 2021年07月10日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 福島競馬は開催2週目に入りました。JRAホームページによると、先週木曜の7月1日以降は土曜10日まで雨が降らなかった日が一度もなく、JRA発表の10日午前7時測定のクッション値は「7.7」(やや軟らかめ)。先週土曜朝のクッション値が「8.4」(標準)だったので、今週の方が土曜朝時点では軟らかい方向に推移している。

 先週が雨の開催だったため、3〜4コーナーの内側に傷みは出始めているが、それでも土曜は内有利に立ち回るレースが多く、芝自体は上々のコンディション。先週に続き、雨の影響で時計は多少掛かっていた。

 土曜は雨予報も出ていたが、レース時間帯は降ることがなく、芝は「稍重」で終日行われた。「不良」で始まったダートは午後1時30分に「重」に回復したが、芝の方は変更がなかった。日中は時折日も差して、同じ稍重でも、後半ほど徐々に乾いていったと推測します。

 土曜は、芝競走は8鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、1番手、1番手、1番手、5番手、2番手、12番手、2番手」。勝ち馬の通過順が示す通り、小回りコースの福島競馬らしく前主導の競馬が続いた。

 七夕賞と同じ芝2000mで行われた11R・阿武隈Sを勝った5番人気エフェクトオンは土曜の芝競走ではただ1頭、後方から勝った。ただ外から差したわけではなく、4コーナー12番手から最内を通っての差し。鞍上・田辺騎手のクレバーな騎乗が光った。2着の12番人気エターナルヴィテスはレース前半5F60秒0のほぼ平均ペースで逃げ粘りで「前&内」を通る利を感じた。

 12R・3歳上1勝クラス(芝1200m)は4コーナー2番手に進出した2番人気グロリユーノワールは内を機敏に立ち回って抜け出した。勝ち時計1分9秒5は稍重としては標準。

 日曜の福島の馬場予報は正直、悩ましいです。福島市は「曇一時雨、降水確率50%」。確実に降るという予報でもなく、逆に局地的に降る恐れもあり、馬場状態の急変は念頭に入れておいた方がいいかもしれません。

 このまま日曜も降らずにいけば、七夕賞は「良」に回復する可能性も。こうなれば、勝ち時計も2分を切る高速決着。内寄りの傷みも軽微で「内&前主導」の決着でしょう。問題は雨が降った場合です。雨量次第では先週日曜のような「差し主導」の競馬に戻るケースも。不順な日曜の天気の推移には、ご注意いただければと思います。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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