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中山牝馬Sは前走GI・GII組から

  • 2006年03月06日(月) 23時50分
 中山牝馬Sは牝馬限定でハンデ戦という、一見無法地帯な重賞だが、実は「格」がモノを言うレースである。

 前走条件戦組が馬券に絡むことはほとんどないし、斤量減が幸いして連対するレースというのも極めて稀である。また、前走クラス別成績で見ると、前走GI・GIIに出走していた馬を買った場合の回収率が高く、かつ連対率も高い「いいことづくめ」になっている。

 しかし、今年はそれをそのまま応用してよいかどうか少し考えるところだ。前走GI・GII組というのが、秋華賞のあと休み明けでここへ臨むニシノナースコールと、ダート交流のエンプレス杯から来る2頭しかいないのである。

 秋華賞からここというのは過去に例が無いが、普通に考えてニシノナースコールの地力なら通用しそうにも見える。しかしデータ以前の問題がある。ニシノナースコールはこの原稿を書いている時点で除外対象であり、しかも順番的にかなり厳しい除外対象なのだ。

 もしこのまま除外になってしまった場合、エンプレス杯組の2頭に期待することになるが、果たして前走ダートというのはどうなのだろう?しかも惨敗してきた直後だ。

 結論を先に言うと、問題はないように思う。エンプレス杯からここへ来た馬は過去10年で3頭。馬券に絡んだ馬はいないがいずれも超人気薄ばかりで、そんな中から14番人気4着のオルレアン(しかも3着とハナ差)が出ている。

 前走ダートから中山牝馬S好走を果たした馬は3頭で、メジロランバダ、レッドチリペッパー、エイシンルーデンス。いずれも優勝しており、ダートの専門家というよりは「本職は芝」という色彩の強い馬だ。

 エンプレス杯組のライラプスとジェダイトも、今のところダートに強いとは言えない馬。本職に戻るという意味で今回は注目に値するところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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