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【天皇賞・秋予想】世代の異なる3頭が人気を集めそうな興味深いレース

  • 2021年10月29日(金) 18時00分

あとから振り返ると過剰人気になっていたことが多い3歳馬だが…


 世代の異なる3頭が人気を集めそうな天皇賞秋。穴党の出番は限られるが、レースとしては興味深いものになりそうだ。

 グランアレグリアは再度2000mに挑戦。大阪杯をどう評価するかだが、筆者は馬場の影響が大きかったと見ている。距離はこなせると見る根拠は鞍上。折り合いを気にするという発想がないルメール騎手はこういうときにこそ輝く。適性の上限距離であっても攻めの競馬をしてくれるだろう。

 コントレイルは残り2戦を東京に賭ける。2400mももちろん守備範囲だが陣営は2000mをベストとみているようでもあり、今回からメイチ勝負だろう。内枠には正直よしあしのところがある。内枠有利・外枠不利と言われる東京芝2000mだが、天皇賞秋についてはそこまで内枠優位になっていない。包まれて下げて……が最悪の形なので、むしろ枠を生かすくらいの積極的な競馬を期待したい。

 エフフォーリアは古馬と初対戦。そこをプラスにとらえればアタマまで狙えるし、マイナスにとらえれば消すという発想まである。過去の3歳馬を見るとファンは前者になることが多いようで、あとから振り返ると3歳馬は過剰人気になっていたことが多い。過去10年、単勝20倍未満だった3歳馬はすべて人気順より着順が下。馬というよりファンの問題で馬券では強く狙えない面がある。

 カレンブーケドールは東京芝2400mがベスト条件で、今回はやや距離不足の面がある。ただ全く無理というほど距離不足なわけではないし、相手なりに走るのはファンがよく知る通り。3着あたりには十分狙える。ちなみに今回2〜5着だと、「重賞未勝利馬の史上最高本賞金額」という記録(現在の保持者はサウンズオブアース)を樹立する。

 ワールドプレミアはさらに距離不足の印象。カレンブーケドールが積極的な仕掛けをした天皇賞春で最後まで脚色が鈍らなかったスタミナタイプだけに、2000mかつ良馬場という条件は容易なものではない。

 あとは上がり馬の台頭があるか。候補はポタジェとヒシイグアス。ポタジェは相手なりに走る長所を生かしたいところ。ヒシイグアスは別定GIIまで勝っているので期待したいところだが、有力馬より長い休み明けということを考えると△までが妥当か。

 ペルシアンナイトは7歳だが札幌記念3着とまだ元気なところを見せている。ただGIではさすがに足りなくなってきたという印象。今回は三強がいるだけに苦しいところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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